配信失敗、そして最悪な出会い
マジで小説初心者が500人記念に適当に作ったやつです。どうかなまあたたたたたかい目で読んでやってください。
一応区切りがつくまでは更新していく予定です!
「22時55分...もうそろ時間か」
パソコンの電源を入れて椅子に座り背もたれに身を預けて配信の準備を進める。今日は僕のチャンネルの登録者500人記念配信の日だ。
「500人に行くまでいろいろなことがあったなぁ...」
某動画配信サイトでVtuber 蒼 波留としてやってきて約3年になるが本当にいろいろなことがあった。身バレだったり親フラだったり、物に反射して顔バレしないようにしたりなど気にしながらまったりと配信してきた。収益化まであと半分...やっと節目という感じだ。あまり長く物事が続かない僕にしては長く続いてる方だと思う。
だが感慨に浸っている暇はない。後1分ほどで配信開始の時間になってしまう。今日は流石に遅刻したくない。
「これをこうしてっと...よし!配信開始のツイートもしたし準備OK!始めるか!」
もはやルーティーンになりつつある配信前の準備を整え配信開始のボタンを押す。そいていつも通りの挨拶から始まるちょっと特別な一日になる...はずだった。
「やぁみんな!やっはるー......う?」
いつもの挨拶は不発に終わった。
僕は確かに配信開始のボタンを押した。そうすれば目に映るのは配信用のソフトや動画サイトのアナリティクスの画面とコメント欄のはず。そうでなければいけない。だが目の前に広がる光景がいつもの日常を壊してくる。
「え...木?えぇ!?」
動揺なんてもんじゃない。いきなりの非現実的な出来事に腰を抜かしそうになる。それもそのはず目の前に広がるのはPCのモニターではなくうっそうとした森だからだ。
「パソコン...どこ?」
ザワザワと風に揺られる木の葉や生い茂る草の独特な匂いが呆けた思考を現実に引き戻す。この現象は2023年の現在を生きている...いや、生きていたというべきかは分からないが、だからこそ分かることがある。ある時から流行りだした物語の中だけなら見慣れた現象それは
「あー、これが異世界転移ってやつかぁ...うわぁ!?」
何が起こったのかを理解し背もたれに身を預けようとするがここは外。当然ながら背もたれはないので後ろに倒れてしまう。
「さすがに椅子まで一緒に転移とかはしてないか...っていうかここ森だよな?」
倒れた体に力を入れて起き上がって辺りを見回して状況を把握する。
先ほどまで腰かけていた場所にはちょうどいい感じの倒木、衣服は中世風の装いになっており頭のヘッドフォンは洒落た帽子に置き換わっていた。周囲は少しだけ開けていて月の光が差し込んでいるがその先はお化けでも出てきそうな暗い森が広がっている。
「こんな状態じゃあうかつに移動とかはできないな」
そんなことをつぶやきながらどうするか考えていると後ろからガサガサと草をかき分けるような音が聞こえてきた。
「っ!」
音がした方向に目を向けるがよく見えない。月明かりがあるとはいえ所詮はその程度。音の正体を見極めるには明るさが足りない。
「ダレカイマスカー?アノーヘンジモラエマスカー?」
人であることを祈り声をかけるが返事はない。その間にもかきわけるような音はだんだんと近くに迫りその顔を覗かせる。
「定番といえば定番だけどさぁ...」
狼が来た。嘘じゃない。
「やばいよやばいよ!マジで!!デカすぎんだろ!!!」
目の前に立ちはだかる狼は地球にいるようなそれとは比較にならないくらいの大きさをしており、ダラダラとよだれを垂らしながらこちらを見ている。逃げられそうにない。
「イセカイテンイシタナラゼッタイナニカリユウガッテゼッタイタスケガくぁwせdrftgyふじこlp;」
「何言ってんだお前」
気づけばすぐ後ろで謎のモフモフが喋ってた。