補遺 其之二
この断片文書は現在に於いても既に廃れてしまっている、
古代の魔道技術に関してを説明しています。
と言うのも、著者も表現のくどさを気にしていたようで、
現代に於ける短縮形・正式名のある技術を当時の様式で記すのは抵抗があった、
と後書の断片には記されております(この後書は現在修復作業中です)。
著者の意向を汲取り、既に死語となっている名詞に関しては古代の語をそのままで、
現代で名付けられている名詞に関しては現代語で表記する事にしました。
我々の目的が文書再現だけでなく著者の意図の解明であることをご理解の上、
読みにくさに関しては平にご容赦願います。
現代では廃れてしまった技術の一つを端的に上げるとすれば、
“衝撃”
の扱いであろう。
ものを伝わる力、勢い、と言うのが一般的な用法だが、
当時の魔道に於いては二種類に分かれていた。
一つは物理衝撃、もう一つは魔道衝撃。
この二つは効果も効力も似て非なるものである。
…―欠損―…ことも可能であるが、…―欠損―…には不向きなものが魔道衝撃である。
その逆の効果、つまり………―欠損―………に有効な魔力の物理的現象への変換手法が“物理衝撃”と名付けられていた。
物理衝撃にはもう一つ特性があり、…―欠損―…の制御が容易で………―欠損―………。
聖王代以降に於ける魔“導”の普及、
即ち魔道技術そのものの伝達技術・制度の発展がその利点を奪い去り、
結果として現代に於いてはまず見る事のない技術になってしまった、ということである。
同様のことが………―以下完全に欠損―………