俺は見てるだけ。
嗚呼、またやっている。
「佐藤さん! 好きです! 付き合ってください!」
「無理ですごめんなさい」
かれこれこれで五人目。
何がって?
一目惚れして告白する回数だよ。
一人目は清楚系。
二人目は真面目な眼鏡っ子。
三人目はギャルで。
四人目はぶりっ子。
そして五人目の彼女は所謂教育実習生。
全くもって恋多き友人だ。
「くそ、またダメだったっ! 何がいけないんだ!」
「何がって、分かんないわけ? 高校に入学してまだニヶ月、なのに五人ってさ。女子の間じゃ噂の的じゃねぇか」
本当に好きなの?とかどこに共通点があるんだとか色々言われてることにどうやらコイツは気づいていないらしい。
俺自身も伝える気はないし、自分で悪いところに気づきやがれ。
「そもそもなんでそんなに彼女がほしいわけ?」
「そんなの決まっているだろう!? 高校生だからだ!」
「──そっかぁ」
もう何も言うまい。
コイツが馬鹿なのは知っている、アホなのも知っている、頭が足りないのも昔から知っている。
でもここまでだったとは……。
「うん、ガンバレ」
「おう! 次こそは彼女を作るぞ!」
この馬鹿にとって高校生=彼女なのは分かったが、きっと卒業までに彼女なんてできやしないだろう。
今さっき俺に告げた言葉を聞いていた女子は少なからずいる。その結果また噂が広がりコイツを好きになる変わり者なんてそうそういなくなるだろう。
不憫なやつだと思うが、助けてやろうとは思わない。
見てて楽しいし、コイツの良いところをいずれ好きになってくれる人はいるはずだ。
その時まで俺はただ見守るだけだ。
「お前はそのままでいいよ」
今のままで。
そのままでいてくれ。
そしていつの日か可愛い彼女を紹介してくれや。
「そのまま突っ走ってくれよ」
それいけアンパン◯ン、ではないがそのまま突っ切って生きて俺を笑わせてくれ。
※お題、それいけ友人
制作15分