騎士
気がついたら村の広場に居た。それも自分だけでなく皆が、そして縄で身動きが出来ないように縛られて。
そして5〜6メートル先には、この村の者では無い人間が7人ほど立っている。
そいつらは皆、剣を持っている。
不意に1人が話し出した。
『今からガキと年寄りはそこの家に移動してもらうからな』
そう言うと男は村長の家を指さして、僕たちを無理やり村長の家に連れて行った。
家の中には10人ほど居る。
子供は、僕と幼馴染のリック、それにリックの姉のクロラ、そして山賊の1人、それと村長、それ以外は皆年寄りである。
僕は頭が混乱していて何が起きているかあまり理解できない・・・
『なぁリック・・いま何が起きているんだ?』
するとリックは一瞬ポカンとしていてたがすぐに、もとの顔に戻り僕に言った。
『そっか・・・お前気絶してたもんな・・・実は今、村に山賊が来ているんだ・・・』
僕はリックが何を言っているか分からなく黙っているとクロラが口を開いた。
『1時間くらい前かな・・?突然、山賊たちが村にきて金と食い物をよこせって言ってきたの、皆怖くてすぐに有るものを出そうとしたら、鍛冶屋のバンおじさんが山賊たちに大声で文句を言いだしたの・・・そうしたら山賊たちが怒って皆を縛ったの・・・
そうしたらアキトも離せって言って、そうしたら山賊の1人がアキトを殴って・・・』
クロラ姉ちゃんの説明を聞いてなんとなく思い出した。
僕が縛られて怖くて気が動転して文句を言ったら頭を殴られてそのまま気絶したんだった・・・
しばらくすると山賊の1人が出て行った。するとリックが村長に言った。
『村長・・・俺達助かるかな?あいつらに何かされないかな?』
リックはすがるような眼をしていた。
『大丈夫じゃ、きっと皆助かる』
村長は笑顔で言った。その笑顔を見ていると不思議と少し怖くなくなった。
1時間ぐらいった時だと思う突然、山賊たちが部屋に飛び込んできた。
すると僕とリックとクロラを連れて広場に行った。
すると広場には、1人の青年が立っていた。たぶん18か19歳ぐらいの若い青年だ。
その青年の服装は黒いジーンズに茶色のベルト、そして手首の部分を一周する赤いラインを施したジャケットを来ていて、左手にはナイフを持っていた。
『お前たちあのガキを殺っちまえ!』
山賊の1人が言うとあとの6人が全員、青年に向かっていった。
しかし青年は全く動じず悠然とナイフを構えていた。
『なめんじゃね〜』
1人が大声で叫び、6人同時に剣を青年の頭めがけて振り下ろした。
その瞬間、山賊たちが宙を舞った。
『な・・なんだと』
アキト達を連れていた山賊が声を漏らした。
『お・・おまえは一体何者だ!?』
山賊は声を張り上げた。
すると青年は顔をあげ言った
『俺か?俺はただの・・・帝国騎士さ!
さぁ、山賊のおじさんょ〜村人たちを返してもらおうか!』
山賊は顔を真っ赤にして言った
『き・・騎士だとぉ〜!?なぜ騎士がこんな辺境の村なんかに居るんだ!?』
騎士は悠然と答えた。
『最近この付近で山賊が頻繁に出るって話を王が聞いてな
俺がお前らを退治する命を受けたのさ』
『く・・だがな俺はこの3人のガキを今この瞬間にでも殺せるんだよ!
ガキの命がほしけりゃそのナイフを置いてもらおうか』
山賊はニヤついて言った。
騎士は一瞬ためらったがナイフを置いた
すると山賊はアキト達を放し
銃を持って青年めがけて走って行った。
『死ィィねェェ〜』
騎士は笑っていた
山賊は銃を構えて撃とうとしていた。
その時、騎士は15センチほどの棒を取り出した。
『そんな棒で防げると思ったかぁぁ』
そう言うと山賊は銃を三発撃った。
『棒だと?何のことだ?』
騎士は棒を握りしめて唱えた
『聖騎装よ、我が前に真の姿を現せ、インビジブルスピアー!』
さっきの棒が光を放ち形状を変えていき最終的には170センチほどもある
長槍になり銃弾をすべてはじき返し、
山賊の頭に石突きを振り下ろし気絶させた。
騎士のおかげで村は山賊襲来の危機から難を逃れた。
アキトはこの事件をきっかけに『騎士』になることを決心した。
山賊襲来の危機から2年がたったある日、
アキトの家に『騎士募集』のおふれが届いた。
そしてアキトは騎士になるべく『帝都』へ向かった。




