表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

第0話 出会って一秒

「ねぇ、私とひとつにならない?」

「ああ、いいだろう」


 こうして二人は出会って一秒でひとつになった。

 どうしてこうなったのか、話は少し前に遡る。


 **


 男の魂は冥府を彷徨っていた。

 前世で犯した罪の呵責から男自身が望んでここへ堕ちた。

 しかし、それからもう五〇〇年ほどが経過していた。


 そんな男に湧き上がってくるのは——暇だ、という思いだった。


 ここには何もない。

 いや、怨嗟の連鎖だけがここにはある。

 男はその鎖に縛られて、この場所に留まっていた。



 女の魂もまた冥府を彷徨っていた。

 しかしこちらはここに来てまだ半日と経っていない。

 本来は来るべきではなかったのに、女にかけられた呪いのようなものが女をここに堕とした。


 そんな女に湧き上がってくるのは——焦りだった。


 そんな二人の魂が冥府で出会ったのは偶然だったか必然だったか。

 女は男の光り輝く魂を知覚して、すぐに声を掛けた。


「ねぇ、私とひとつにならない?」


 暇を持て余していた男はすぐに返事を返した。


「ああ、いいだろう」


 こうして二人はひとつになり、魂は現へと還っていった。

ブクマ・評価お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ