3章19 続未知なる転移門
朝、頬を撫でる冷たい風に目を覚ます。
この異世界に来て30日が経った。
季節で言うと、初秋から本格的な秋に移り変わろうとしていた。
昨夜遅くまで降り続いていた雨は明け方になって漸く止み、地表付近に濃い霧を発生させていた。
岩の窪みの中は見渡せるが、外を見ると霧に阻まれて数m先も見通せないような状態だ。
こんな日には早く出立してゆっくり進むのが良い。
まぁ昼になるころには霧も晴れるだろう。
そうと決まれば朝ご飯を軽く済ませて出発してしまおう。
まだ試すことがある。こんな霧の日に役に立つように『発光』の使い勝手を向上させる。
まずライトの光に指向性を持たせることは出来るか?……出来なかった。
次にライトの色を変えることは出来るか?……出来た。
白、黄色、青、赤、緑。各色作ることが出来た。
これで何になるかと言うと、人に目立たなくしたり、逆に目立つようにしたりも出来る。
こんな霧の日に黄色のフォグランプを灯すことも出来る。
街道をゆく時にこんな霧が出てしまうと、正面から来る馬車とぶつかってしまいそうになる事が何度かある。
現に午前中に3度程、ぶつかりそうになった。
こちらの世界では馬車はどちら側通行かと聞いたら別に決まっていないらしい。
グー〇ル先生もそう言ってた。
船も決まっていないらしい。
それで防げる事故もあるんだから、決めろよ!!
霧は正午前に何とか晴れ、昼食後は順調に進むことが出来た。
午後に発見された鹿は無事に役に立ってくれた。
ゲートに関する確認項目は成功に終わった。
パーティに入っていない鹿はロープで引いた場合、俺が引けば無事にゲートを通ることが出来た。
これで馬車を倉庫に入れればゲートで長距離移動が可能になる。
だが現状でこのゲートを使っての移動は不可能だ。
なぜなら馬がゲートを通ることを拒否するからだ。
体重50Kg程度の鹿なら何とか無理やりにでも通す事が出来たが、体重500Kgの馬は無理やりでは動かない。
ゲートで移動するには、ネクロマンサーレベル20の魔法『呪い』を使って、馬から正常な判断力を奪うしかないだろう。
そ・れ・か・ネクロティカルパレードか……
便利な事は判ってはいるんだけど、中々決断できないんだよな……
鹿は勿論、スタッフで美味しくいただきました。
本日で一匹全てではないですが……
テロップ的には『鹿は後日スタッフが……』と流れる感じでしょう。
カクヨムにて先行投稿中
 




