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2章14 朝食

 ベルナリアの部屋のドアをノックするとメイドのタチアナさんがドアから現れて、俺を宿の外に連れ出した。

 中がちょっと見えたけどフランもここに居たようだ。

 ベルナリアの世話と準備をフランとテレーゼに任せて食料の調達を朝食前に済ませてしまう予定だ。

 とは言え何を買うかは完全にタチアナさん任せ。

 俺の役目は運搬のみ。

 人これを荷物持ちと言う。

「便利ですよね。倉庫(スタッシュ)でしたっけ?食べ物が痛まないなんて」

 タチアナさんに言われるままに次々と倉庫に放り込んでいく。

 話によると王都に近づくにつれ物価が上がっていくそうでここで買ってしまった方が安く済むとの事で、ここで20日分の食料を買ってしまうとの事だ。

 もちろん俺の倉庫があっての事なんだが、まぁ使える物は使いましょうという感じに便利に使われている。

「そのことについては内緒にしておいてくださいよ?」

「分かっています。でも便利な事を知ってしまうと言わずにはいられなくって」

 分かってしまうから俺も使えるよって言ってしまうんだよな。


 野菜の(たぐい)の買い物を終え、肉類の店を覗く。

 加工されたようなソーセージやベーコンもあるが、今朝絞めましたという様な肉も置いてある。

 野菜と違って肉はある程度は現地調達も可能な物なので気持ち少な目でいいと提案した。


 魚は殆ど売っていない。

 テサーラの街はビクタス川沿いにあるが、川の流れは余りゆっくりでは無い。

 それなりに流れが速いのだ。

 それが故に生臭くは無いのだが大きな魚が少ない。

 このビクタス川からは売るほどの収獲が無いのだ。

 じゃあ他は?となると海は遠すぎる。

 ビクタス川を上ってくる船を利用しても10日程は掛かる。

 干物にして持ってきても持つかどうか……

 そういう理由で魚は殆ど売られていない。


 あとテサーラの街の中で手に入れるべき物はパンくらいだろう。

 牛乳、チーズ、卵などは街を出てから牧場で買った方がいいだろう。


 パン屋では出来立てを倉庫に入れさせていただく。

 冷めていても『加熱(ヒート)』を使って温めることはできるのだが出来立てに勝るものは無い。

 含まれる水分量とかが違うのだろう。

 因みに日本人は欧米人に比べると唾液の分泌量が少ないそうだ。

 フランスパンの様な水分の少ないパンを食べるのが苦手だという人が多く、食パンが好まれるのはそのせいだとか。

 閑話休題、パンを手に入れて買い物を終了した。


 宿に戻ったら出発の準備は既に完了していた。

 朝食をしっかりと、とは言え手早く済ませた。

 メニューは牛乳、パン、サラダ、ベーコンエッグ、ヨーグルト。

 朝食に柑橘類を取るとシミの原因になるらしいので避けることにしている。

 親父に聞いた知識だったんだけどすっかり染み付いてしまった。


 あれから20日以上経ったのだが親父はどうしているのだろうか?

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