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死神伝記  作者: 1128
第1章 終わり神
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小鬼族の現状

道なりに馬車が進んでいる。死神達だ。

尾白と尾黒が馬に乗り、その他は馬車の中でくつろいでいる。

全員を起こした後、依頼をギルドで受け、その後すぐ小鬼族の村に向かっているところだ。


死神「それにしても何があったんだろうな?」


闇「何が?」


死神「今回の依頼だよ。」


死神達は尾黒が持ってきた、依頼を思い出していた。小鬼族から出された護衛依頼、それ自体は珍しくなく、それどころかよくあることだ。しかし、今回は村規模での護衛依頼だ。小鬼族の村にも自分達で小型級ならなんとかなる戦力はある。それでも村規模の護衛依頼を出したということは、かなりのことが起きた又は起きているとみていいだろう。


火龍「ただ中型級を倒してほしいなら、護衛ではなく討伐の依頼になるはずだからな。」


シー「そうにゃね。」


シルバー「まぁ、行ってみれば分かるにゃ。」


死神「それもそうだな。俺はしばらくかかるだろうから休む。」

すぐに寝息が聞こえてきた。


火龍「え、今の流れで!?てゆうか寝るの早!数分も経ってないだろ。」


闇龍「まぁ、そうゆう人だからねぇ。」

数々の戦いをくぐり抜けていくうちに、身につけた技術の一つだ。しかし、それにしても寝るのが早い。



そんなこんなで小鬼族の村までやってきた


死神「やっと着いたな。」


闇「お前ほとんど寝てただろうが。」


死神「そうは言っても…」


小鬼「何者だ!お前たち!」

槍を構えた小鬼族達と高身長の小鬼が死神達を取り囲んだ。


火龍「おいおい!ちょっと待て!俺たちはお前らに依頼されてきたパーティーだ。ほら依頼書!」

火龍は依頼書を手に掲げ小鬼族に見せた


小鬼「何?本当だ。失礼しました!今村長のところまでお連れします。」


火龍「危うく戦闘になるとこだったぜ。あとあれは本当に小鬼族か?」


死神「まぁ、これで入れるんだからいいじゃねえか。〔それにしても、妙だな?装備はボロボロだし、村の警護隊の半分が女だと?一体何があったんだ?というか絶対小鬼族じゃない奴がいるんだが、どうなってるんだ?〕」

小鬼族の平均身長は子供ぐらいの身長でそれで角が生えているから小鬼族と言われている。しかし、護衛隊の中に明らか身長が高く小鬼族じゃなさそうなのがいる。


小鬼「こちらです。どうぞ。」


死神〔とりあえず警戒はしとこ。〕


死神達は小鬼族に連れられ村の中に入った。



陽菜「自己紹介が遅れました。私は陽菜ひなです。この警護隊の隊長です。そして、他は」

オレンジヘアーの小鬼の女である陽菜は他の小鬼族の方に向いた


美咲「美咲みさきです。」

イエローヘアーの小鬼の女である美咲が名乗る。


桜「桜です。」

桜ヘアーの小鬼の女である桜が次に名乗った


蒼「そうです。」

水色ヘアーの小鬼の男である蒼がその次に名乗った


次に背の高い小鬼族らしき男が名乗ろうとしている


死神〔まぁこのままの流れなら、髪が赤いからいくら背が高いと言っても、烈火とかその辺だろ。〕


小鬼「フレイムウッドマンです。」


死神「想像と全然違うの来た!つうか、直訳すると火炎木人じゃねぇか!」


火炎「ええですから、火炎木人とか火炎とか呼ばれています。」


シルバー〔何でそんな名前にしたんだろうにゃ?〕


死神「自分の名前は死神で、あとは…愉快な仲間たちです!」


他「ちゃんと名乗らせろよ!」


閑話休題(それは置いといて)



死神「で、依頼者の村長はどこにいるんですか?」


陽菜「村の中央にいます。そこまで案内しましょう。」


死神達は陽菜達に付いていった。


死神〔…男がいないことはないが、やはり人数が少ないな。心なしか元気もない。)


街通りはあまり活気がなく、目に映る小鬼族はほとんどが女性だ。


陽菜「着きました!ここが村長の家です。」


他の家々より一回りほど大きな家にたどり着いた


尾黒「ほう、大きいでござるな。」


陽菜「一般的な我々の家が小さいですからね。他の種族の方々にはそれでは小さいので、ここは村長の家、兼お客様をお連れするところだから大きいのです。」

確かに他の家々は小さく、死神達ではくつろげそうにない。


火龍「まぁそれはいいや。とにかく中に入れてくださいませんか?」

しびれを切らした火龍がそう問いかける


陽菜「そうですね。村長入りますよ!」


村長の家に入っていった



村長「よく来てくださいました。あっしの名は偉一郎えいちろうと言います。」


死神「これはご丁寧にどうも。自分の名前は死神で、他はまぁいいでしょう。」


他「いや、よくねぇよ!」

各自、名乗っていった


死神「それで、護衛依頼とは?」

死神は茶を飲みながら問いかける


偉一郎「実は今、村は豚人族によって滅ぼされようとしています。護衛依頼というのは彼らからこの村を守ってほしいのです。」

深刻ぎみに答える。話の内容もかなり深刻だ



豚人族

豚のような顔なのでそう呼ばれている種族

実力は小型級の実力があり、体力や力もある。

しかし、その見た目に反し温厚で仲間意識が強いことで有名

基本的にその体格を生かす労働をして生活費を稼いでるものが大半である


火龍「豚人族が?彼らは温厚なことで有名なはすだが?何か彼らを怒らせるようなことでもしましたか?」

疑問に思った火龍が問いかける


偉一郎「いえ特にこれといったことはありません。それ以前に交流もありませんでした。それなのにいきなり襲ってきて。」

偉一郎は悔しそうに拳を握りしめた


死神「襲ってきたということは、戦ったんですか?」

驚いてそう問いかける。それもそうだ。豚人族は小型級、小鬼族は超小型級なのだから戦力差は明らかである


偉一郎「はい、しかし結果は惨敗。村の男連中の半分は傷を負い、4分の1は死んでしまい。無事なのは残りの4分の1だけ、このままでは皆殺しにされるのは明白!ですからどうかお助け下さい!中型級を倒したあなた方なら彼らを一掃できましょう!」

偉一郎は死神達に頭を下げた


陽菜「村長。 お願いします!どうか助けて下さい!」

村長の方を向いていたが、死神達の方に向いてあたまを下げた


他「お願いします!」

他の小鬼達も一緒に頭を下げる


闇「死神。」

死神に受けようと目でうったいかける。他のメンバーも同様だ


死神「(これでなぜ男がいないのか分かった。それにしても…)

もちろん断る!」


他「!?」

小鬼達も死神の仲間も驚いた顔をしている


偉一郎「そんな!何故ですか!?」

偉一郎も驚いてそう問いかける


死神「単純な話だ。悔しくはないのか?仲間を殺されて、傷つけられて。」

死神はそう聞き返す。どうも何かを待っているようだ。


偉一郎「っ!悔しくないわけないでしょ!でも我々の力は超小型級しかない。それでもなお戦ったから私の息子は!」

悔しそうに涙を浮かべる


死神「なら強くなればいい。お前らが。」


死神の答えに対し陽菜が悔しさをにじませながら

言い返す。涙を流しながら。

陽菜「簡単に!簡単に言わないでよ!私達だって強くなるならなんだってする。家族を守れるというなら戦う!でも、でも私達には力がないから。」

よく見れば他の小鬼達も静かに泣いていた


死神「…俺も、昔は弱かった。それこそ超小型級よりな。」

彼らの泣いている姿を見てポツリとこぼすように

答える


小鬼達「!?あなたほどチカラがある人が?」

小鬼達が驚いたように死神に顔を向ける。彼らは死神が中型級を倒したと知っているから驚いている


死神「ああ、そうだ。でもな、それがどうした。って言ってくれる人がいた。それでいいの?って問いかけてくれる人がいた。だから俺は、前を向いて立ち向かった。理不尽に対してな。お前らはどうする?俺たちに出来ることは、お前らを強くすることだけだ。」

他の仲間は静かに小鬼達を見ている


陽菜「でも私達の力じゃ…」


死神「お前らの思いはそんなものか!」


陽菜「でも思いだけじゃ!」

声を荒げる


死神「確かにただの精神論かもしれねぇ。だがな、思いってのは時に現実をも凌駕する!俺はどれほど辛くても諦めず前を向いた!そしたら何とかなった。今まで生き延びてこれた。」

死神は一度小鬼達を見渡した


死神「もう一度聞く。お前らはどうする?このまま死ぬのを待つか?それとも抗うか?」

そのまま小鬼達を見つめながら、黙った


しばらくして陽菜が口を開けた

陽菜「私達は、私は。抗います!ただ惨めに殺されるのは嫌だ!」


美咲「私も戦います!」


桜「私も同じ気持ちです!」


蒼「僕でも戦えるなら!」


火炎「俺も戦う!」

何故か持っていた茶碗を片手で割りながら答える


火龍(あいつは鍛える必要ないだろ。)

死神やその仲間は全員そう思った


閑話休題〔それは置いといて〕



死神「分かった。ならあんた達を鍛えよう。俺たちが出来る範囲でな。」


小鬼達「お願いします!」


彼らは果たして強くなれるのだろうか?

それは彼ら次第だ!


ちなみに火炎は本当に小鬼族です。最初は普通に生まれました。しかし、何故か大きくなってしまったようです。

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