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見えざる第三者  作者: ザ・ディル
一章 二〇一六年
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十八話 心のほつれはいつから


 私は二者懇談をするため、ある教室に赴いた。

 そこにいるのは担任の厚芝先生。


 そしてすでに私と厚芝先生は二者懇談の最中だ。二つの机と椅子があり、対面するように座っている。


 「桜田さん。貴方、本当にこの大学が第一志望なんですか?」


 「……はい」


 「貴方、自分の偏差値解ってます?」


 「……はい」


 ……何? こいつ? この高圧的な態度で質問し続けるのが一般的な二者懇談なのか聞かれればもちろんNOだと思う。

 私が第一志望にした大学は一カ月前に行ったオープンキャンパスと変わらない大学だ。まあ、だからこそ高望みだと遠回しに言っているんだろうけど。

 

 「残りの期間でこの大学を目指せると本気で思っているんですか?」


 「…………」


 「貴方の偏差値は今三十五ですよね? それで行きたい大学は偏差値五十、間違いないですよね?」


 「はい……」


 ああ、なんで自分でも自覚しているところをわざわざ確認しているのだろう、こいつは? あり得ない。飽き飽きする、こいつのクソ性格に。


 「本気でこの大学に行きたいと思っていますか?」


 「はい」


 うるさい。うざい。


 「この大学をとりあえず目標にするということですか?」


 うざい。うざい、うざい。気持ち悪いこいつ。……死ね。


 「……質問しているんですが、分かっていますか?」


 「……死ね」


 「……? 今なんて言いましたか?」


 「死ねって言ってんだろ! クソ野郎!」


 私は無意識にポケットから、○○○から貰った狂気を取り出して先生を--否、自分の手をその凶器で力任せに振り落とした。


 「…………」


 その狂気は……コンパス。高校ではほとんど使わないはずなのに、ましてや自分の筆箱にも入れてないのに、私は何故かそれを持っていた。その針の部分を私は自分の左手に刺した。何回も何回も、何回も何回も。

 痛みも襲って来るが、それでも私は構わない。コイツを、担任を殺せば--、


 ……、何故担任を殺すために自分の手をコンパスで刺しているのだろう?


 思ってしまうと、考えてしまうとまったく分からない。先生を殺そうとして、なぜ自分の左手を刺しているのか?


 『簡単よ。君は目覚めた。ただそれだけ』


 瞬間、私の意識は途切れた。

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