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〜異世界卓球〜 混沌の章   作者: 不滅のピン太郎
第1章 開幕!異世界卓球バトル!?
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第6部 亜空間の戦い

「そうはさせませんの!」

亜空間を捻じ曲げ、空間の穴から出てきたのは金髪の天使だった。


「ほう、そなた…わらわの城に入りこの空間まで破るとは中々骨のある天使じゃな?」

「おい、天使!貴様、何の用だ!?」

アスタロトがそう聞くと

金髪の天使、ミカエラは

「そこの人間、ユキムラサツキを迎えに来ましたの」

と答えサツキを指差した。

サツキの眼の色が元の黒色に戻った。

「天使も僕が欲しいんですか本当面倒だなぁ」


ローランはポンと手を叩くと

「そうじゃ!そなた、卓球の腕も中々のものであろう?わらわの弟子であり右腕であるアスタロトと戦い、勝ったあかつきにはユキムラサツキをお前に渡そう」

「分かりましたわ!その勝負受けて立ちますわ!」

「このエリート悪魔アスタロト様の卓球を思い知らせてやる!」

「良い、良いぞ!天使vs悪魔!燃えてきたのじゃ!」

「あのーそれは僕が決める事じゃないですかねぇ?」

(駄目だ、奴ら話を聞いてないぜ相棒。ここからは簡単には出られないし、試合終了を待つとしようぜ)


「サーブは貴方に譲りますわ。私は傲慢な悪魔とは違いますから」

「ヘッ、傲慢で悪かったな」


「そういえばこの亜空間的なのを作ったのってローラン様なんですか?」

「そうじゃ。わらわの特殊能力、亜空間じゃ」

(もっとかっこいい名前、ないのか?でぃめんてぃあ……)

「亜空間といっても様々な空間が作れるのじゃ。まさに自由自在。わらわの城の各部屋全てがわらわの特殊能力で出来ておるのじゃ」

「便利そう」

「今回わらわが作ったこの空間は魔力増倍の効果があるのじゃ」

「魔力増倍……つまり魔力を使うアスタロトのデビル・ロンギヌスの威力も上がるって事?」

「そうなるの。だが、デビル・ロンギヌスは威力だけではない。回転の精度やコントロールも上がるのじゃ。まあどちらにせよヤツも必殺技を隠し持っているじゃろう。お互い様ということじゃな」

(ゲームみたいな話だけどよ。マホ○ーンみたいな魔法がつかえなくなる魔法を使われたらどうすんだ?天使なら持ってそうだろ?)

「相手を妨害する魔法はかき消されるよう設定しておる。心配せんでもよいぞ」

「それより……なんで僕にベタベタくっつくんですか?」

「それはそなたが好きだからじゃ。匂いや肌触りも覚えなければのぅ。愛故の行動じゃ、許せ」


アスタロトvsミカエラ

サーブ権アスタロト

2セットマッチ

この試合はITAのルールに則って行います。

それでは、


試合開始!


0 ー 0


アスタロトがボールをトスし、フォアサーブで回転をかける。

だが、ミカエラは典型的な下回転を流すかのように軽くツッツキをした。

アスタロトはドライブを仕掛け、打ち合いに持ち込んだ。

お互いに強打を繰り返す。がここでアスタロトが違和感を感じる。

「あの天使、手加減してやがる」

ミカエラはバックがほとんど空いているのにもかかわらず、アスタロトの手のある方のフォア側に打っていた。

「オラァ!」

1 ー 0

「あら、外しましたの」




「あの天使の子、手加減してません?」

「ああ、まずアスタロトとまともにラリーが続く時点で強者であることには変わりないのじゃ。奴はまさか?」



「それっ!」

「くそっ!なんだあのサーブは!?」

ミカエラは多種のサーブの使い手であり、フォアサーブとバックサーブ両方を使い、回転も下横上全てかけられるであろう。おまけにジャイロと逆回転付きだ。


4 ー 5

「次は何が来るんだ?」

「おやおや、悪魔さん?あの噂のでびるろんぎぬす?でしたっけ?打たないんですかぁ?w

私が乙女だからって手加減しなくていいんですよ。

このままじゃ貧弱な天使の女の子に負けちゃいますよ?」

プチィン…

アスタロトの中で何かスイッチが入った。


「やってやろうじゃねぇか!クソ天使!俺様の必殺技で叩きのめしてやるよ!」

ミカエラがニヤッと笑った。


ミカエラはバックサーブを繰り出すがトスに失敗し、少し回転が弱まってしまう。


「おいおい、そのサーブはカモだぜ」

身体をねじ曲げ魔力と力を溜める。

ボールが来ると共にラケットを振り上げる!

「これが悪魔の槍!デビル・ロンギヌス!」

天を舞い投げやりのように回転するボールが天使を襲う!

着地したボールはフォア側のエッジに当たった。

「どうだ!」

「まずいですわ!」


「魔力が上がっているからコントロールもほぼ自在。まさに最強の槍ですね」

「この相手を妨害できない力と力のぶつけ合いでどう勝つかが重要じゃの」

だがこの後、魔王も予想できなかった結末が待っていた。


「ブーメランラケットですの!」

ミカエラはスケートの回転のように空中で1回転するとラケットを投げた。


「アイツ!何を!?」


クルクルと回るラケットはエッジに跳ね返ったボールを拾い上げるかのようにドライブ回転をかけ、アスタロト側のコートに入った。


「うおっ」

予想だに出来なかったボールの軌道が読めず、バックショート側に転がるボールを拾い上げる事しか出来なかった。


「はぁぁぁっ!」

ミカエラは翼を広げると上昇気流を起こして空へと舞う。

そして風圧でボールの回転を消し、風でボールを浮かせボールを上から思いっきり叩きつけた。

「必殺!ジョーショーキリュースマッシュ!」


ミカエラにとってこの状態でスマッシュを打つのは簡単なことであった。

さらに魔力で起こした風を纏っているので亜空間の恩恵で威力が上がっている!


「は、はぇ!」


4 ー 6

ミカエラの圧倒的な風のスマッシュによって2点差をつけられてしまった。

「ここから反撃ですのよ」


「ハッ、まさか!」

「どうしました?ローラン様?」

(何か気づいたのか?)

ローランは玉座から降りて、叫んだ。

「アスタロト!デビル・ロンギヌスを打つでないぞ!」


「な、何故ですか!?魔王様!」

突然の必殺技禁止命令に動揺してアスタロトは叫び返す。

「話は後じゃ!わらわの言う通りにせい!」



「あらら、バレてしまいましたわね…」






魔王の空間


「あのアホは置いといてわらわがこのコーナーを仕切ろう」

「そんなことしていいんですか?」

「まあいいじゃろ。奴とは知り合いじゃし、許してくれるじゃろう。」


今回はITAのルールについてじゃ。

「コレが物理法則とかぶっ壊す原因になるんですね」

まず

ラケットでボールを打つのは一回だけ。

じゃが、魔法や魔力で作られたものは何回でも当ててもよい。

「例えば、今回のように風に当てたり、闇の魔力をボールに纏わせたりしても問題無いとw」

流石、呑み込みが早いの。

そして相手を妨害する際、相手が試合続行できないようにしない事。

「要するに傷つけるなって事ですね。」

安心安全の卓球じゃ。

人間のみラケットとラケットを持っている手以外の身体の一部以外の物でボールを打ってもよい。

勿論ラケット同様一回だけじゃ。

「剣とか棍棒でボールって打てるんですかね…」

まあ、できるじゃろ。世界は広いからの。ちなみにドーピングはありじゃが身体に危害を及ぼすものはアウトじゃぞ。

あと、魔王は魔王杯には出られん。

下手したら無双するからの。


「こんなもんですかね」

「まあ、何かあればあの馬鹿魔王に任せれば良い。それよりわらわと風呂にでも入らんか?そなたの背中を流してあげるのじゃ」

「襲われそうなので遠慮します」




今日の一言

「やってやろうじゃねぇか!クソ天使!」

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