第4部 舞い降りる天使
ここ天界にて……
革命は天界までにも起きていた。
天界ではITA公認プレイヤー天使部門を決める大会の決勝戦が行われていた。
「せいっ!」
パチィン!と音が響いた。
「11 ー 0 !勝者ミカエラ!」
歓声が上がった。
「皆様!ありがとうございますの!私、やりましたわ!」
ミカエラは生まれながらの天才であり、剣の腕だけではなく革命が起きた後、天界ではほぼ無敗を誇っていた天使である。無論全ての試合結果は無失点完全勝利である。
大会の表彰式の後、ミカエラは女神アティアに呼び出された。
「アティア様、お呼びでしょうか?」
アティアは少し黙ると
「ミカエラ。私は昨晩夢を見たのです。とある人間が悪魔と手を組み、魔王杯で優勝する夢を見たのです」
と深刻そうに言った。
「アティア様……その者は何を願ったのでしょうか?」
「その人間は何を願ったのかは分かりませんでしたが世界が崩れていました。最後に残ったのは悪魔とその人間。無常の世界が出来てしまったのです。」
女神アティアが予知夢で混沌を呼んでいたことをミカエラは知っていた。とある村が災害で壊滅した事も、とある王が病死した事も、そしてこの卓球革命の事も。
「アティア様…私、その運命を変えてみせますの!」
「ミカエラ……私ったら貴方に頼りっきりで…分かったりましたわ。貴方ならできるわ」
「ありがとうございます。アティア様」
「その人間の名はユキムラサツキ。日本という魔王に召喚された大陸にいる人間です」
「ニホンですか…聞いたことはありますが行った事は無いですね」
「日本は私達が見てきた世界とは全く違います。あちこちが便利に囲まれています」
「例えば何があるんですの?」
「そうですね、パンを自動で焼くカラクリや物を冷やして保存するカラクリなどがありますね」
「何せよ、貴方にはユキムラサツキをここに連れてきて下さい。悪魔に認められ、魔王杯で優勝できる実力があるなら悪魔に利用されるよりはこちらで保護した方が良いでしょう」
「了解しましたわ。」
ミカエラは翼を広げて日本へと向かった。
日本国にて
「ここが日本ですの…」
日本はアティナ様の言葉の通り、ビルと呼ばれる建物に囲まれていましたわ。
カトレア王国やスイレン峠町とは違った臨場感があった。
途中じろじろ見られたり、話しかけられたりしましたわ。
レートが見えるのも不便ですわね……。
「やっと着きましたわ」
こんな大通りで試合を…。
中に入ろうと扉を開くと銀髪の少年と黒髪で片目が前髪で隠れている少女が試合をしていた。
(あ、あれは!)
「デビル・ロンギヌス!!」
「くそっ!追いつかねえ!」
天を舞うボールはまるで槍のようですわ!
あんな技、常人に出来るとは思えませんわ。
………間違いなくあの予知夢の二人ですわ。
私が唖然としている間に試合は終わり、私の方へと2人は向かう。
はわわ、どこかに隠れないと!
魔王の部屋
今日もやっていこう!魔王の部屋!
今日のゲストはこちら!
「お初にお目にかかります。私、大天使ミカエラですの。」
今日はミカエラちゃんにITAについて解説してもらうよ!
「了解しましたわ!ITAというのは異世界卓球アソシエイションの略ですの。」
なんでアソシエイションだけ英語なんだろう…。
「貴方が作らした組織ですわよね……?」
「異世界卓球には従来の卓球とは違ったルールがありますの。それを改善したり考案したりするのが、この組織ですの。ルールについては従来の卓球にプラスアルファで特殊ルールを追加していると考えていただいて結構ですわ」
細かいルールは今度解説するよまたねー。