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巨大な木
大工親方が弟子と共に諸国を廻っていました
途中土地神と言われる巨大な木がありました
高さは雲に届くようなものでした
親方はその巨大な木を見ないでささと走り去っていった
弟「親方 親方 弟子入りしてから今まであんな立派な木は
見たことありません
どうしてゆっくりあの木を見ていかないのです」
親「あんな役に立たない木をみてどうするんだというんだ
船を作れば沈んでしまうだろうに
桶にするには堅さが足りない
柱にするには虫に食われてしまうだろう
あれは役に立たない木なんだよ」
その夜親方は変な夢を見た
「おい!昼間はよくも俺の事を役に立たないと言ったな
もし俺が役に立つ立派な木なら
トックニお前たちに切り倒されているだろう
木にとって役に立つことは命取りなんだよ
俺の様な木が一番なのさ」
それは巨大な木の夢だった