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夢
酒場で二人の男が酒を酌み交わしながら語ってる
「夢を見ている時はそれが夢だとは気づかない
夢の中で夢占いまでする始末だ
目覚めてはじめて夢だと気付くのだ」
「悟った人だけが
生が一瞬の夢だと知っている
僕たちは夢を見ているんだ
この今の会話も夢かもしれない」
「だが僕は最近今夢を見ていると自覚することもある
悪夢は自分の力で抜け出せるんだよ」
その会話を聞いていた
酒場の大将は思う
愚か者ほど自分は悟った人間だと思い込んでいる
だから愚か者なのだ結局は