魅惑の休憩室
ミューの後に続いて歩いて行くと中は木造の小汚い作りだった。
(外側は大理石造りだったのに・・・)
シャロンはまたがっくりと肩を落とした。
課長室はこの建物の一番奥にあるらしい。
(うわ~・・ここの床、穴開いてるよ・・・)
「シャロンさんは、異世界転生課について~どのくらい知ってる~?」
「ひゃい!?」
急に後ろを向いて声をかけられたもんだから声が裏返ってしまった。
「・・・ゴホン、人間界から死んでしまった人を違う平行世界などに送る所だと聞いてます」
「ふふ、そうね~。だいたいそんな感じかな~」
そういってミューはまた前を向いて歩き出した。
(え?それだけ?)
とてつもない不安に襲われながら、課長室へと足を運ぶのであった。
途中から建物の内装が変わった。
ぼろぼろの木造の内装を抜けると大きな広間があり
そこはマッサージチェアやふっかふかの絨毯
冷暖房完備でなんとコーヒーメーカー(無料)まであった。
「ミュー様。ここは一体なんですか?」
「ああ~ここはね~、休憩室のようなものよ~」
これは凄い、よく見ると羽根の手入れマシーンまで置いている。
「ただしね~、ここを使えるのは2級転生天使からね~」
「2級転生天使・・・ですか?こちらの課の階級でしょうか?」
聞きなれない単語に思わず尋ねてしまった。
「そうね~。そっか~まだ設立してそんなに経ってないから
学校でも教えてないんでしょうね~」
そういうとミューは足を止め、休憩室のソファに体を沈めた。
「説明するから向かいにどうぞ~」
許可を得てから、ミューの向かいに座る。
(柔らかすぎて、姿勢良く全く座れる気がしない・・・)
一度立ち、ソファのギリッギリに腰を落とした。
「じゃあ説明するよ~」
そういうと指先から光を放ち、空中に文字を書いていった。
光魔法レイの応用だろう。
試してみたことはあるが、20文字も書く頃には最初のほうが原型を留められなかった。
あとでミューにコツを聞いてみると
「こう、スーッとやってビューンって感じよ~」
と言われ、彼女は感覚派なんだと理解できただけだった。
ミューの話をまとめるとこうだ。
異世界転生課には普段の階級とは別に◯◯転生天使という階級が存在する。
これに関しては恋愛成就課なども同じように別枠であるから分かりやすかった。
重要なのは私が何級かということだ。
役職は次のようになるらしい。
転生神
準転生神
1級転生天使
2級転生天使
3級転生天使
5級転生天使
新人、私はもれなく5級スタートとのことだった。
ちなみに彼女は1級らしい。
より詳しい話は課長から聞いてくれとのことだ。
とりあえずまず目指すは2級転生天使!
私は神様にそう誓った。
「あら~。というよりも課長室に案内してるとこだったわね~」
急いでいるのかわからない口調で行きましょう~と紡ぐミューの後を追うのだった。