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蒸気機関車部品解説集

制輪子

 制輪子、とは要するにブレーキパッドである。しかも文字通り車輪に押し付けられる。前のエッセイで述べた、タイヤの表面、『踏面とうめん』に押し付けられるのだ。

 今はレジンを原材料とした合成制輪子なんかがあるが、当時は基本が鋳鉄制輪子である。これが磨耗しやすい。特に特急用機関車なんか二、三日で交換である。理由は『萩野古参機関士 入替り』にも出てくるように、再加速が命だから、ブレーキだけで減速するからである。しかし、この鋳鉄制輪子、テメーもガリガリ削れていくがタイヤの踏面も同様に削って行くのである。だから電気的には綺麗な状態を保ち続けるのだな。削れるけど。

 この制輪子と線路に削られたタイヤは旋盤の化け物『タイヤ削正機』で削られて、使われる。それで対応できなくなって初めて交換なのだな。だって重い。


 この鋳鉄制輪子、火花が散ってもまあおかしくはない。そりゃもちろん削れるけど。そして、蒸気機関車のブレーキは時代によって様々な動作形式がある。蒸気ブレーキ、真空ブレーキ、空気ブレーキである。その解説もついでにやってしまおう。

 蒸気ブレーキとは、ブレーキシリンダーに蒸気を吹き込むことで制動をかけるものだ。機関車以外に繋げないので廃れた。構造は非常に単純だよ。

 真空ブレーキは、貨車や客車等についたブレーキホースの空気を機関車側から吸い込んでやることでかかるやつだ。注水器インゼクターの原理だとのこと。それでピストンを吸い上げてやる。後には常にこの配管を真空として、空気が入ったら自動的にブレーキがかかる自動真空ブレーキが作られたが、部品が多かったりとかで普及が遅かった。それに、ブレーキ力が大気圧を越えられないのだな。レスポンスもよろしくない。

 空気ブレーキ、これがD50辺りからの主流だ。簡単な直通ブレーキ何てのもあるが、そんなの路面電車しか使わん。自動空気ブレーキが基本だ。この場合の自動とは、列車分離等があったら必ずかかると言う意味だ。ブレーキホースのなかに圧縮空気が入っているが、ブレーキハンドルを操作するとその空気が抜ける。そうすると弁が動き、車両側の圧縮空気タンクからブレーキシリンダーに圧がかかる。そんな原理である。だからブレーキホースが切れたら中の圧縮空気が抜け、ブレーキがかかる訳だ。電磁何たらとかもあるが、そんなの蒸気機関車にはないので省略。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても面白いですね もっと沢山読みたいです ブレーキに特化したら 『回生ブレーキ』の話も入れて欲しいです 他に熱処理やブレーキの寿命を業種別に比較するとか面白いのでは? 鉄道マニアほどでは…
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