第5話:不思議な朝
久しぶりの更新です。遅くなってスミマセン。
希さんと付き合う事になって一晩が過ぎた。誤解の無い様に言っておくが、一晩を共に過ごしたとかではない。高校生でそういう事はまだ早いからね。
いや、そんな事はどうでもいい。ただなんと言うか、実感がまるで湧かなかった。人食いを見て、それが片想いの相手で、付き合う事になって、なんて。現実離れし過ぎて、ただの夢なんじゃないかと思うのも当然だろう。
ピーンポーン…
家のチャイムが鳴った。いつでも登校できるように準備を済ませてあったので、僕は直ぐにドアを開けた。お隣さんかなぁ、等と思いながら。
「おはよう、新くんっ」
…実感が湧いた。しばらくの間唖然としていたが、なんとか正気に戻り挨拶を返した。
「あ、おはよう…希さん」
おかしい。希さんに家の場所を教えた覚えは無い筈だ。なのに何故、希さんが家に来るんだ?
「新くんの家ね、悠人くんに教えて貰ったの。」
悠人め、無断で家を教えるなんてあり得ないぞ。学校行ったら説教してやろう。
「それで、どうしたの?」
何のために朝から家に来たのだろう。惚けてる訳ではない。本当に分からないのだ。
「もうっ!一緒に登校しようと思ったの!」
彼女は顔を赤くしながらそう言った。僕の顔も釣られて火照っていた。なんだか恋人って感じだ。
彼女があまりにも可愛く見えたためか、登校中の記憶がほとんど無かった。
学校に着くと、多くの人に驚かれた。希さんは男子からの人気が高く、けれども全ての告白を断っていたので、“高嶺の花”だった。そんな希さんが僕のような“ごく平凡”と登校するのだから、当然注目の的になる。
本当はあまり注目されたくないんだけど……
次の更新はいつになるか分かりません。読んでくださりありがとうございます。まだまだ続きます。