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マイクはいつも通り、朝食につかう食材を倉庫に取りにむかった。
あの日以来食糧庫に向かうのに抵抗感を覚えていたが、しばらく何もなかったので懲りたのだろうと思っていた矢先の出来事であった。
「…あ、あん」
となまめかしい声が食糧庫の扉から聞こえる。
それを聞いてぎょっとしていると、後ろからずんずんという足音が聞こえた。
マイクが後ろ振り向く暇もなく、マイクは肩を横にやられた。
そして、背の高い筋肉付きの良い男が扉を勢いよく開けた。
「何をしている!」
男が大声で怒鳴る。
マイクはタナシがここまで怒っているのをはじめてみた。
村長の息子であるタナシはもともと血の気の多いタイプの人間であったが、喧嘩慣れしているため一線をわきまえていた。
そのリミッターが外れてしまっているようであった。
血の気が失せているタムタンに対してマヤおばさんはどこか冷静で淡々と服を着始めていた。
「もう……終わりかしらね……」
そう一言つぶやくマヤおばさん。
「おまえ!……」
そういうとタナシはタムタンを突き飛ばし、マヤおばさんに殴りかかる。
’ゴツン’
タナシが殴り、マヤおばさんはそれに合わせて後ろに倒れた。
'ドサ'
マヤおさおばさんはビクビク動いた後しばらくして動かなくなってしまった。
静寂が訪れ外の雨音だけが倉庫内に響く。
しばらくするとタナシがマイクの方に振り向いた。
マイクはそれに合わせて脱兎のごとく走り出す。
『レナおばさんのところに行かないと!』
不思議な事に後を追いかけてくる足音は聞こえなかった。
しかし、マイクは懸命に走った。
見つかったら同じことを自分にもされるかもしれない。
その思いでいっぱいであった。
地下に続く扉を開け階段を駆け下りレナートおばさんの元に真っ先に向かいあったことを話す。
「タナシ様が!マヤおばさんを!!」
あった出来事を詳細にレナおばさんに話すマイク。
なかなか進めないけど積みはせず頑張ります。
師走で忙しく、更新滞っていてすみません。
年末年始の帰省でさらに遅れる見込み…
積みはしないので気長に楽しんでもらえると嬉しいです。