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第六話 魔法学校の試験を前にして

あれから何事もなく訓練に励んでいた。

そして今日ある異変が起こった。

それは父さんとの剣術訓練の時だった。父さんの次の行動が手に取るように分かったのだ。

正確には父さんの次の行動を完璧に読むことが出来ていた。


おそらく 皇帝(エンペラー)の能力である未来視が発動したのだろう。

だが、発動の仕方はあまり分からず、日常生活では発動しなかった。

とは言っても戦闘ではかなり有利になることは間違いないだろう。


そして魔法訓練だ。

あれから本だけで魔法を扱うことが怖くなったので一から母さんに教わった。

そして2年かけ、全属性の基礎魔法を習得した。

さらには身体強化の魔法の延長線で魔法付与(エンチャント) も習得した。

ただ剣を頑丈にするだけではなく、属性の付与や特殊な魔法を施した魔剣なんかも扱えるようになった。


ここまで色々な魔法を学んだのにこの前唱えた火属性と水属性の魔法は教わらなかった。一体何の魔法だったんだ…


そして今日は複数発動、複合発動について教わる。

何が違うのかと思ったが、同時に同じ魔法を何個も発動するか、違う魔法を発動するか、ということらしい。


試しにやってみたがかなり難しかった。なんとか魔法をひとまずは四つに分けることをイメージすることで複数発動はまだ形にはなった。

問題は複合発動の方だ。

正直、頭がバグるというか訳が分からなくなる。俺には一応魔力制御補助があるんだけどな、、


3個や4個の魔法を完全詠唱で発動するのは口が四つないと無理なのだ。

結果的に無詠唱か短縮詠唱での発動となる。

アクアボール、ファイヤボール、魔力弾、ダークアロー この四つだ。


そこで母さんのお手本を改めて見たが、母さんの魔法は魔法陣が浮かび上がっており、そこから発動していた。なにせダークアローは完全詠唱だった。


「母さん、魔法陣はどうやって作ってるの?」

とりあえず聞いてみた。


「これはね、念じるだけで展開することが出来るわ!

魔法陣があると魔力制御が簡単になったりより威力の高い魔法が使えたり、魔法発動中に攻撃を受けても魔法陣が壊れなかったら詠唱を再開することが出来たりするの。

あとは魔法陣があれば四つとも完全詠唱しても同時に発動できるわね。


ただ魔法陣を展開する分、魔法陣からしか魔法を放てなかったり、相手に防御の隙を与えたり、魔法陣を展開することに少し意識を持っていかれるせいで魔法発動が遅くなったりするの。

とは言っても魔法陣が完成してしまえば壊されない限りかなりの時間、魔法制御をサポートしてくれるわよ」


なるほど、どうやら相手に防御されてもいいような高威力魔法や逃げれないような範囲魔法は魔法陣を展開し連射したりするのが魔法戦では普通らしい。なにより魔法陣を作れば完全詠唱でも大丈夫なのはありがたかった。

おそらく一つずつ魔法陣が完成していく感じなのだろう。


これで出来るようになれば良いのだが、、そんな心配は要らなかったようだ。

魔法陣を展開するようになってから一気に簡単になった。


母さんが言うに北斗七聖は同時に何十もの魔法を扱うらしい。

例えばアルタイル聖は  聖なる剣(ホーリーセイバー) という光属性の魔法の魔法陣を短縮詠唱で四十個ほど展開し、そこから人が片手で持つような光の剣を出現させる。

そしてその剣を敵の広範囲魔法に対して放ち、自身やその味方への攻撃から守るという。

剣は壊れても魔法陣と発動者の魔力がある限り何度でも再生するため、迎撃技術においては世界的に見てもトップクラスだそう。

それもそのはず、四十本全ての剣を制御しないと成り立たない淒技だ。


魔力切れにならないのかと思ったが、彼らの魔力はとんでもないとのこと。



あと一年も経たないうちに十二歳となり魔法学校の入学試験だというのに、、正直不安だ。


複合魔法で色々組み合わせてみて何か新しい技でも考えないとな、、。

次回は十二歳を迎え、いよいよ王都へ向かいます。お楽しみに!

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