第四話 特殊スキル皇帝
俺は皇帝というスキルを獲得したわけだが自分の中で能力を何となくまとめてみた。
特殊スキル 皇帝
・剣術補助
・身体能力向上
・魔法制御補助
・魔力増強
・王族作法
・配下契約
・配下転移
・未来視 etc.…
といったところだろうか、正直てんこ盛りすぎる。
どうやら俺の全面的なサポートが主な能力となっているっぽい。
俺に常に付き添いの人がいる感覚だ。
とはいっても正直未来視はかなりやばい気がする。
(結論から言うと王族作法以外どれもやばかった)
そんなこんなで5歳の誕生日を迎えた。俺は青髪の少年へとなっていた。
(どうやらこの世界の成人は十五歳らしくあと十年で独り立ちだ)
晩御飯は肉だ。でもどうやら少し違う。鳥だ、!!
久しぶりに食べたのでとても旨かった。そんな中、父があることを言った。
「シアンはこれから魔法と剣術の勉強をする。剣術は俺が、魔法は母さんが教えてくれるだろう。
とはいっても二人とも昔はB級冒険者だったんだぞ?凄いだろう?」
そんなことを自慢気に言われたがあまり凄さは伝わらなかった。
そして俺も気になっていた事を聞いてみた。
「北斗七聖になるのって難しいの?」
すると両親の顔が曇って少し無言の時間が流れた。そして父が口を開いた
「シアン、それをどこで聞いたんだ?」
ここは正直に答えるとしよう
「本で読んだんだよ」
すると
「そうか、、結論から言おう、北斗七聖になるのはまず無理だろう。
だがもし俺たちのような家庭(平民)からなるとするのならば、王都の学校に行くしかない」
「これは父さんと母さんの昔話になるのだがな、俺たちも昔、北斗七聖を目指していたんだ。
だが平民が貴族達しかいないような学校に通って勉強することはまず無理だった。
だから独学で腕を磨いて冒険者になったんだ。そこで功績を上げれば王に認められると思ったからな、
しかしかなり厳しい道のりだった。
まず依頼がほとんど回ってこない。だいたいは学校を出た奴ら(貴族)に先に取られちまうんだ、
となると兵士に混じって戦争に行くしかなかった。
それが辛くてな、今はここでのんびりと暮らしてんだ。正直平民でB級まで行けただけでもかなり凄いと思ってる。
とは言ってもだ、お前の人生なんだから好きに生きればいい」
この時俺の中である程度方針は決まった。そして一つの疑問を投げかけた
「平民でも学校って入れるの?」
「あぁ、一応は入れる学校はある。ここからだと一番近いのは王都にある学校だな。
他にも二つあるが、どの学校も貴族しかいなくて平民なんて三人いたら多い方だし入学試験も難しい。
貴族だと学校は一杯あるんだがな、」
日本で言うところの国公立と私立と言ったところだろうか、当然平民も入れるのが国公立で貴族限定なのが私立だ。
この世界では平民でも入れるポラリス国立王都魔法武術学校が最難関かつ、最も良い教育を受けられるとして貴族に人気なのだ。
俺は父の言葉を聞いて決心した。
「父さん、俺、学校に行こうと思う」
「そうか、分かった。ならばより訓練をきつくせねばな、」
案外すんなりと受け入れられた
そして訓練が始まった。
まず剣術だが父さんはハチャメチャに強かった。
皇帝の補助があっても攻撃を受け止めるのだけで精いっぱいだ、訓練用の木刀とはいえ当たればかなり痛いだろう。
「ハハッ、そんなもんか!初めてにしては強いがまだまだだぞ」
(やばい、5歳とは思えない剣筋と力、これは将来大物になりそうだ)
そして魔法訓練
初めに水晶へ魔力をこめるところから始まった。
これでやっと自分の適性が分かる!わくわくしながら手をかざすと
紫色と白色の渦巻きのようなものが出来、水晶は元の三倍ぐらいに大きくなった。
俺は最初無属性の適性でもあるのかと思ったがこれはどうやらそういう事ではないらしい
母も平静を装っていたようだが、驚いているのがバレバレだ。
そして母が言った。
「シアンは全属性にある程度の適性があるわ。その中でも闇に強い適性があるみたい。」
全属性に適正か、これも皇帝の力の一つなのだろう
それにしても適性が闇かぁどんな魔法があるんだろう、あまりいいイメージはしないが、、
「でも闇の魔法はまだ教えないわ。シアンはまず無属性を使いこなせるようになりなさい。
それが上達への近道だから」
どうやら無属性は全ての魔法の基礎らしい。
「じゃあ母さんがいつも言っているヒールの詠唱真似してみて!」
だがもうその必要はない、日々ヒールを練習していたら詠唱を短縮して発動できるようになったのだ
「ヒール」
母さんは驚いていた。
それもそのはず、たかがヒールとはいえど詠唱短縮には約半年必要とされているのだから。
「母さんの詠唱を真似してたら僕もできるようになったんだ!!」
「あらそうなの、すごいじゃない、でも無詠唱はまだね。
無詠唱で発動できるよう頑張りましょ!」
(この年で詠唱短縮なんて将来が楽しみね、)
そんな感じで気づけば三年の時が過ぎていた
俺はヒールの他にも上級回復魔法 ハイヒール、防御魔法 シールド、無属性攻撃魔法 魔力弾、
補助魔法 身体強化等の魔法を無詠唱で発動できるようにはなっていた。
そして今日はいよいよ闇属性魔法を教えてもらう日だ。
母さんは闇属性に適性があるわけではないが初級魔法程度なら扱えるそうだ。
母さんが詠唱を始めた。
「我の魔よ、闇の力となりて目の前の敵を穿て ダークアロー」
そう言って手を前に出すと黒い矢が生成され目の前の木に当たった。
そして当たった場所から腐食していき最終的に木がぼろぼろになった
どうやら闇属性の攻撃魔法は光属性以外で防ぐ、浄化することが出来ないらしい。
さらには召喚魔法や操作魔法も闇属性に属すると教えてもらった。
これは使える、!!
シアン=トロンテス
特殊スキル 皇帝
使用可能魔法
ヒール、ハイヒール、
シールド、魔力弾、身体強化
ダークアロー