第二話 この世界
この世界に転生してから3年がたった。
どうやらこの世界には魔法というものがあるらしい。
階段から転げ落ちた時にはよく母が
「 我 汝に祝福を捧げる 傷を癒し給え ヒール 」
そう唱えてくれていた。するとたちまち自分の周りを緑の光が覆い、痛みはすぐになくなっていた。
まさか、と思ったが元居た世界でよく見たアニメの中の回復魔法とそっくりだったので信じるしかなかった。
さらにこの世界への興味が湧いた。
そんなこともありもっとこの世界について知ることにした。
まず今知っている内容を整理すると、
この世界には身分制度によって二つの身分に分けられているが、俺はどうやら平民としてトロンテス家に生まれたらしい。
(どうせなら貴族に生まれたかったものだが転生できただけでも今は感謝すべきだろう。)
しかしこの辺りでは裕福な方なのは間違いない。なんせ二階建ての木造建築だしまわりは一階建てばかりなのだ。
次に両親、
母 アルメリア=トロンテス
優しく、よくヒールで助けてもらっている。非常にありがたい。
父 エーデル=トロンテス
剣が得意でよく猪?などを狩ってくる。5歳になると剣の訓練が始まるらしい…
少し憂鬱だ。
さらにどうやら俺には兄弟がいないらしい、前世も一人っ子だったがそこは変わっていない…
まぁそんなことはおいといて、なんせ今日は3歳の誕生日だ。
前世で生まれたころの記憶なんて無いもんだから新鮮に感じる。
晩御飯は肉だ!!!今までミルクやらおかゆやらで飽きていたので嬉しかった。
人間は塩さえあれば味には困らないらしいが本当にその通りだと思った。
猪みたいな肉はうまかった。食感は少しパサパサした牛肉といったところだろうか、
味は少し癖のある豚だ
塩がかかっているということもあり食べられない味ではない
米に肉なにより塩があれば食べ物には困らなさそうだ。
そしてやっとこの世界の言語に慣れてきた。というより以前までは言葉を聞くと一瞬で自動翻訳されて理解はできていた、がこちらから話すことはできなかったのと、自動翻訳されるというのがどこか気持ち悪かった。だが3年も生きていればある程度は読めるし話せるようになってきた。
つまり、、本が読める!!!三歳にしてはすこし早い気もするが別にいいだろう。
一応この世界にも本はあるらしくそこそこ貴重なようだがなんと書斎の本棚に10冊以上あった!
これは嬉しい誤算だ。
そう思い、俺は書斎の本棚から某魔法学校小説ぐらい分厚い本を何とか取り出し読み始めた。
幸いにも本を読むこと自体は苦ではなかった。
なにせ前世であれだけの参考書を読んでいたのだから。
そんなことも考えながら俺はついに本を捲った。
どうやらこの本にはこの世界、国のことが書かれているようだった。
どうせなら魔法の本がよかったが3歳の体には本棚は高かった。
今取れる位置にある本はこれぐらいしかないので次回のお楽しみとしよう。
すると物音とともに母が入ってきた。
「シアン、ここには入っちゃダメよ! 大事な本がたくさん置いてあるのだから!
ここじゃなくて あっちでおねんねしましょ~ね~」 そう言って連れていかれた。
でも諦めなかった。親からすれば迷惑でしかないだろうが夜な夜な抜け出しては本を読み進めていた
そんなこともあり気づけば一年が経っていた。
では本の内容をまとめていくとしよう
まずこの国についてだがオーストラリアのような形をしており、北東と北西方面に二か国、そして南に海と面しているらしい。
その名をポラリス王国
つまり王家はポラリス家なのである。
そして国の中でも有力な冒険者や騎士などの中から七人の魔法使いや戦士たち選ばれ
それぞれに領土や軍を持っており中央に王都、その周りを囲むような形で配置されている。
日本で言うところの江戸時代の大名といったところだろうか、、
そんな七人を総称して北斗七聖と呼んでいる。
国王家、はたまた王国を他国の侵略から守ることが最大の目的であり、王国の最大戦力である。
さらには、選ばれた者へ王に次ぐ貴族位のほか、国の八分の一ほどの領土を任せられることになるため人々の憧れとなっているが、戦以外で姿を見せることは、ほとんどなく庶民のなかでは伝説と化している。
当たり前だが国王に絶対的な忠誠を誓っていることは絶対条件であり、過去にも反乱は数回しかなかったらしい
俺が今いる村は アルタイル聖という方の領土なのだとか、
なにせ一回会ってみたいものだがそう簡単には叶わないだろう。
そんな国なわけだが、今いる国の他にこの大陸には4つの国が存在するらしい、詳細まではあまり分からなかったので割愛する。
俺はこの時心に決めた
北斗七聖を目指すことを、平民から剣と魔法で成り上がってみせることを