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こちら、県立東和高校放送局です!  作者: 田鶴瑞穂


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よーし、やって来たぞ、オープンキャンパス!まずは大学説明会だ!

 そんな訳で、私達は喜田先生のアドバイスに従って、まずは“播吹祖立”の中から祖蓮社大学を選んでオープンキャンパスへの参加を申し込んだ。祖蓮社大学を選んだ理由は、ずばりその近さだ。

 播磨学院大学は兵庫なので私達の住む町からは鉄道を使っても軽く2時間を超えてしまう。実際に通学することを考えると下宿か寮住まいにならざるを得ないので却下。

 吹田法科大学は大阪にある・・・とは言うものの皆がイメージする大阪ではない。淀川を越えて遥か北にある摂津地方の奥地にまで行かなくてはならないのだ。だからこの大学に行くのにも、どうしても2時間以上掛かってしまう。

 立志館大学は播磨や吹田と比べれば近いけど、それでも片道1時間半はみておかないといけない。最寄り駅である洛中駅までは1時間弱で行けるんだけど、そこから徒歩では行けず、バスを利用しないといけないからだ。

 その点、祖蓮社大学は1時間もかからない。最寄駅からも歩いて行ける。特に南山城キャンパスは近いからまずはここにしよう、と意見がまとまったのだ。

 ☆

『本日のオープンキャンパスの受付はこちらでおこなってまーす!参加者の皆さんは、こちらに来てくださーい!』

 係の人が拡声器を使って大声で呼びかけを行っている。まだお若そうだし、服装もラフだから学生さんかな?

「ドルフィンちゃん、紙織ちゃん、あっちだって!」

 響子ちゃんが一人で受付へと走って行ってしまった。相変わらずせっかちだなぁ・・・。

「そんなに慌てなくても大丈夫だよぅ!」

「そうよ!説明会の時間まで、まだ十分余裕があるわよ!」

 私達の呼びかけを無視して行ってしまった。まったく聞こえていないみたいだ。やれやれ・・・。

「もう!二人とも遅い!」

 勝手に走って行ったくせに響子ちゃんは受付の前でぷりぷり怒っている。

「そんな所で仁王立ちしてたら他の人達の邪魔になるよ!」

「そうよ!慌てなくても大丈夫って言ったでしょ!」

 私達の掛け合いを見て受付のお兄さんが苦笑している。うぅ、恥ずかしい・・・。

「すみません。私達、東和高校の者です。」

「はい。トウワコウコウさんですね・・・。」

 机の前に座っているお姉さんがペンのお尻で受付簿をなぞりながら東和高校の名前を探している。

「あ、あった。東和高校の・・・栗須さん、三輪崎さん、鵜殿さん、ですね。」

「はい!そうです!」

「それじゃぁ、これが今日の資料です。」

 そう言いながらお姉さんは、どさっ、と資料の束を私達に渡してくれた。うっ、お、重い!

「ず、随分と多いですね。」

「説明会の資料だけじゃなくて、サークル紹介や各学部学科のパンフレット、奨学金の説明書なんかも入ってますからねぇ。全部が全部今日のオーキャンで使う訳ではないので、持って帰って家でゆっくりと見てください。」

「あ、はい、判りました。」

 なるほど、喜田先生が大きめのリュックを持って行けって言う訳だ。こんなのを手にぶら下げて歩き回ったら腕が筋肉痛になってしまう。

「では、10時から説明会を行いますから、この講義棟の中にある大講義室に入ってください。座席は自由です。」

「わかりました。有り難うございます。」

 私達は受付のお姉さんに指示された通り、大講義室に入った。そこは・・・。

「えー!?何、この部屋!ひっろーい!」

「うーん。コンテストの会場として何時も使っている社会福祉総合センターの大ホールぐらい?・・・いや、それよりも広いかも。」

「ただ単に広いだけじゃ無いよ。高校の教室みたいに無味乾燥な白壁じゃない。なんか高級ホテルのロビーみたいだ・・・凄いねぇ・・・大学って・・・。」

『間も無く、説明会を始めます。まだ席についていない高校生、保護者の方は席にお座りください。なお、本日の説明会は自由席となっております。空いている席にお座りください。』

 開始通告のアナウンスが聞こえて来た。私達がきょろきょろと辺りを見渡している間に時間になったようだ。

『皆様、お待たせいたしました。只今より、祖蓮社大学オープンキャンパス、大学説明会を始めます。まずは、本校学長、中原よりご挨拶申し上げます。』

 えー、オーキャン如きで学長さんが挨拶するんだぁ・・・意外だなぁ。講義室の前面にある教壇・・・と言っても高さから言ってちょっとした舞台みたいだけど・・・に学長さんが登って挨拶を始めた。・・・まぁ、内容はありきたりかな。お偉いさんの挨拶は数々のコンテストで聞いてきたけど、どれもそんなに大きくは変わらないんだよねぇ。定型・・・って言うのかなぁ・・・。まぁ、一回一回違う内容を考えるのは大変だろうから、仕方無いよね。

『・・・・・・と言う訳で、本日はじっくり学内を見て頂き、本校の特性を見極めて頂ければ幸いです。』

 ぺこりとお辞儀して学長さんは降壇して行った。

『続きまして、本校の学部につきまして、各学部長より説明申し上げます。』

 おっ、いよいよ具体的な話しが始まるみたいだ。

 祖蓮社大学には“文学部”“社会学部”“法学部”“経済学部”“商学部”“政策学部”“グローバル地域文化学部”“文化情報学部”“理工学部”“生命医科学部”“スポーツ健康科学部”“心理学部”“グローバル・コミュニケーション学部”と言った学部があるらしい。それにしても名前を聞いただけでは何の勉強をするのかよく判らない学部がたくさんあるなぁ。

 例えば“グローバル地域文化学部”。説明によると、“複数の言語運用の能力を基礎に、グローバルな諸問題や地域の歴史・文化・課題に関する学際的な知識を身につけることで、自ら問題を批判的に考察する方途を学ぶ”らしい・・・説明を聞いてもふわふわしててイマイチ判んない・・・。

 逆に説明を聞くと、あぁなるほど、って中身が判る学部もあった。例えば“生命医科学部”。最初は、医学部???って思ったんだけど、それならストレートに“医学部”って言うよね・・・って疑問符だらけだったけど、説明を受けて納得した。要は最先端の医療機器開発を目指す、と言う訳だよね。

 うん。確かに説明会に来て良かった。こんなのパンフレットだけ見てても何のことかさっぱり判らないよ。

 もし祖蓮社大学に進学すると仮定するなら、私は心理学部を選ぶかなぁ・・・人間の内面って凄く複雑で難解だから、少しでもそれが理解できたら・・・って思ったよ。

 説明会では他にも、学生生活についてとか、サークル活動についてとか、就職先はぁとか、とにかく色んな話があった。お陰で大学生活と言うものをイメージ化することはできたかな。

「さぁて、ドルフィン殿!説明会は終わりもうしたが、次は如何なさるおつもりか?」

 あぁ、何時もの時代劇風響子ちゃんだ。このノリ、私は苦手なんだけどなぁ・・・。

「大学の設備も見ておきたかったから、キャンパスツアーに申し込んでおいたよ。」

「流石ドルフィンちゃん。卒がないね。」

 紙織ちゃんがパチパチと拍手しながら褒めてくれた。

「左様でござるか。・・・で、キャンパスツアーは何処に集合すれば良いのでござるか?」

「うーん・・・良く判んないから、さっきの受付で聞いてみるよ。」

 判らないことは下手に考えずに聞いてみるのが一番手っ取り早いからね。

「すみません。キャンパスツアーに申し込んでるのですが、集合場所を教えていただけますか?」

 私達は先ほどの受付に戻って、お姉さんに聞いてみた。

「はい、あちらの“キャンパスツアー集合場所”と書かれた看板の前でお待ちください。参加者が揃い次第始まりますので。」

「はい!有り難うございます!」

 受付は講義棟玄関の右側に設置されていたんだけど、その反対側、玄関の左側に看板が設置されていた。なるほど、看板に“キャンパスツアー集合場所”と書いてある。玄関の間口が大き過ぎて説明会場に入る時には気が付かなかったんだな。

 看板の前でしばらく待っていると、ツアーに申し込んだ人達が続々と集まって来た。二十人を越えたあたりで一人の学生さんが私達の前にやって来た。

「お待たせしました。皆さんをご案内する、法学部2回生の茨田です。宜しくお願いします。」

「「「宜しくお願いしまーす!」」」

 私達の大声にちょっと驚いたのか、茨田さんは一瞬身を引いたように見えた。

「ははは・・・高校生は元気がいいですね。では、皆さん、着いて来てください。」

「「「はい!」」」

 さぁて・・・大学の設備ってどんな感じなんだろう・・・楽しみだなぁ。


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