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こちら、県立東和高校放送局です!  作者: 田鶴瑞穂


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よしっ!改良すべき点がいろいろ出て来たぞ!頑張って改造だぁ!・・・これで番組の目途は立った!次は、アナウンス原稿だ!

 視聴後の話し合いで、私が感じたこととほぼ同じ不満が皆にあることが判った。

「皆の意見に対して、私なりの提言を行いたいと思います。

 まずは、書道パフォーマンスの説明部分が物足りないと言う響子ちゃんの意見。実は、私も同じことを思ったんだよね。そこで、改良案その一。フリー素材の地図を使って、日本全域から四国全域、そして愛媛県へと地図を3カット連続させて、四国中央市の位置はここ!って言う動画を作って挿入する、ってのは如何?」

「おっ!それいいね!ナレーションと画像を一体化できるし、いいアクセントになると思う。」

 と、すぐに響子ちゃんが反応してくれた。

「これについて、他に意見はありますか?」

 皆の顔を見渡してみたけど、特に不満そうな子はいなかった。

「では、ここに地図の表示と言う改良を加えることとします。

 次に改良案その二。今から四国中央市に駄目元で、パフォーマンスの写真を使わせてもらえないか、電話してみたいと思います。」

「えっ?!どんな写真?」

「四国中央市の公式ホームページに載っている写真だよ。許可が取れたら問題は一気に解決。ただし、ナレーションの内容を一部書き直さないといけないけどね。」

「よし、善は急げだ!やってみよう!」

「そうだね。“買わぬくじに当たり無し”とも言うからね。」

「ふふ・・・それじゃぁ、電話するね。」

 私はスマホを取り出して、四国中央市の総務調整係に電話してみた。

『はい。四国中央市総部調整係でございます。』

「お忙しいところ、申し訳ありません。私、K県立東和高等学校2年生、栗須入鹿と申します。」

『はい。ご丁寧に、有り難うございます。本日はどのようなご用件でしょうか?』

「はい。実はそちら様のホームページに記載されている書道パフォーマンス大会の写真の使用許可を戴けないかと思いまして・・・。」

『はい。それでは担当者と代わります。少々お待ちください。』

「・・・・・・・・・。」

『お待たせしました。お電話代わりました。』

「あっ、お忙しいところ、申し訳ありません。私、K県立東和高等学校2年生、栗須入鹿と申します。お聞きになられたかもしれませんが、そちら様のホームページに記載されている書道パフォーマンス大会の写真の使用許可を戴けないかと思い、電話させて頂きました。」

『失礼ですが、何のために使用されるのでしょうか?使用目的をお聞かせ願えますか?』

「はい。私共は放送部なのですが、放送の全国大会に出品するビデオに書道パフォーマンスを取り上げたいのです。書道パフォーマンスの説明にそちらの写真を使用したいと思いまして。」

『高校の部活動ですか?営利目的ではないのですね?』

「はい。放送の公式のコンテストです。なので、金銭のやり取りは生じません。」

『それでしたら、ホームページ上に“画像等提供申請書”がありますので、それをダウンロードして、メールにて提出をお願いします。その際、学校名と顧問の先生の名前を書いてください。個人ではなく、学校からの要請として受理いたします。また、役場の総務に許可を貰っていることを明記してください。提出が確認できましたらご連絡いたします。また、どのように使われるのかを確認しますので、できたビデオを事務局宛に提出をお願いします。問題なければお返事いたします。』

「早速申請させて頂きます。ご丁寧な対応、有り難うございました。」

『はい、失礼します。』

 私は電話を切って、皆に笑顔を向けた。

「使用許可をくれるって!」

「うん、聞こえてた。」

「丁寧に対応したのが良かったのかな?」

「私達が高校生だって言うのが大きいような気がするなぁ。とにかく、すぐに申請書を作って送らなきゃ。西町先生にも事情を説明してくる。」

「ああ、私も一緒に行くよ!」

 こうして、写真使用ができるようになった。申請書をダウンロードして、書いて、西町先生から送付してもらって、と慌ただしく動き回って、物理室に戻れたのは一時間ほど後だった。

「お待たせ~。ゴメンね。退屈だったでしょ?」

「いえいえ。思っていたよりも早かったぐらいですよ。」

 一年生達は嫌な顔一つせずに待っていてくれた。有り難い。

「では、続きを。えーと、私からの改良案その三からだね。新鹿さんから出た意見。全国を七つのブロックに分けている、と言う所だけど、ブロック名をスクロールで画面に表示してはどうかな?」

「おっ!いいね。」

「それで行きましょう。」

「じゃぁ、これは決まりね。続いて改良案その4。波田須さんの意見。和歌もブロック名と同じように文字で起こして画面に表示しない?」

「表示するだけ?」

 紙織ちゃんが不満そうに小首を傾げながら言った。

「うん?どういうこと?」

「画面に映すだけじゃなくて、読み上げる音声も入れた方が良いんじゃない?その方が見てる人に伝わり易いように思うんだけど。」

「紙織ちゃんが朗読するの?私は朗読は得意じゃないから。」

「うん、いいよ。私が朗読する。」

「じゃぁ、決まりだね。和歌は文字で画面に表示するだけじゃなくて、読み上げる音声も入れると言うことで。」

 はい!と、ここで響子ちゃんが手を挙げた。

「読み上げるだけじゃぁ不十分だと思う。」

「と言うと?」

「うむ。和歌って読んですぐに意味が解るもんでもないでしょ。歌の意味、と言うか解説も入れた方が良いんじゃないかなぁ・・・。」

「うんうん、なるほど、確かに。でも誰が解説文を書くの?」

「言い出しっぺだから、私がうちの担任に聞いて書くよ。」

「あぁ、響子ちゃんのクラス担任は国語の先生だったね。」

「うむ。古典が専門だと言ってたから、適任でしょ?」

「では、その部分の台本は響子ちゃんに任せる。うむ!では、最後、神志山さんの意見について。映画のポスターとかの使用許可なんだけど、四国中央市とは違って、民間企業である日本テレビから許諾をもらうのは難しいと思う。おそらく使用料を要求されるはず。だから、いっその事、映画名とかを台本から削ってしまおうかと思うんだけど。どうかな?」

「具体的には?」

「元の台本では、『しかし、この大会の様子がテレビで全国放送されると高い視聴率を記録しました。それを受けて、日本テレビが三島高校書道部をモデルにした“書道ガールズ!! わたしたちの甲子園”という映画を製作し公開した結果、書道パフォーマンスは多くの人々に周知されることになりました。映画が公開されてから大会への参加校が一気に増加しました。』って書いたんだけど、これを、『しかし、この大会の様子がテレビで全国放送されると高い視聴率を記録しました。また、三島高校書道部をモデルにした映画も製作され、書道パフォーマンスは多くの人々に周知されることになりました。事実、この後から大会への参加校が一気に増加しました。』と、言う風に変えるのはどうかな?」

 私は台本に赤ペンで修正を入れながら、皆の反応を窺った。

「なるほど。それなら、画が無くてもあまり気にならないかも。」

「さらっと映画の話題が流されているね。流石はドルフィンちゃん!」

「えへへ・・・一年生はどう思った?」

「はい。私も紙織先輩と同じです。」

「私も。」

「私も。」

「いいと思います。」

「よしっ!では、改良案その五は台本を改変すると言うことで決着!」

「方針が決まったから、早速明日は作品の改良ね。」

「うん。四国中央市からの連絡待ちの部分は置いといて、その他の部分を作ってしまおう!」

 ☆

 次の日、私達は各改良案毎にチームに分かれて素材作りに勤しんだ。私と新鹿さんが改良案その一の地図の画像の作成を、紙織ちゃんと神志山さんが改良案その三の全国七つのブロック名を列挙する画面の作成を、波田須さんと二木島さんが改良案その四の和歌の画面の作成をそれぞれ担当した。その間に、響子ちゃんは担任の先生の所に行って、和歌の解説をしてもらうことに。

 いやぁ、皆で分担すると作業が捗るね!有り難や有り難や・・・それに、編集ソフトは作業プロジェクトを保存しておくと簡単に改変が利くのだ。とっても便利だ。

 お次はナレーションの変更だけど、これも台本の修正さえ終わっていれば、後はICレコーダーにナレーションを吹き込んで、そのデータをパソコンに取り込めば・・・はいっ!改変作業終了です!

 私達の作業が終わった頃に、響子ちゃんが帰って来た。じっくりと和歌の解説をしてもらえたようで、凄い量のメモ書きだった。皆で、どの部分を使うかを検討した。何せ長々と解説を読み上げる時間はないからね。

 すったもんだで台本を書き上げた。これが一番時間が掛かったなぁ・・・。早速、紙織ちゃんに朗読してもらい、それをICレコーダーに録音した。データをパソコンに取り込んで、所定の場所に入れれば、作業は終了。これで、後は四国中央市からの許可を待つばかりだ。

 番組の目途はこれで立ったから、いよいよアナウンス原稿の作成に取り掛かるぞ!

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