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再びダンジョンへ

俺は準備を整えた後故郷近くのダンジョンに来ていた。


「フン!」

ダンジョンの中には弱い魔物がチラホラいた。

ただ前回来た時にある程度倒していたようで力のある魔物は居ない。


「それにしても記憶が無いのは厄介だな。」

「初めて来た時と変化が無ければいいが…」


俺は結局記憶が飛んだまま攻略している

現在2層まで進んでいるが大したことは思い出さなかった。


「初めての時と変化無しか…」

変化がない。

それは一見当然の様に思えるが果たしてそうだろうか。

手を口に当て考える…


前回俺はおそらく魔族と交戦しているはずだ。

多少ダンジョン内が荒れていてもおかしくは無い。


なら魔族と交戦しなかったのだろうか。

その線も有り得る。

俺はそこら辺の冒険と比べて飛び抜けて強い訳じゃない。

平均ぐらいだ。


なら魔族の気配を感じて隠れてやり過ごそうとした事も不思議じゃない。

まぁその場合何日か眠っていたから見つかって瞬殺された事になるが…


「それに魔物の数も少な過ぎる…」


本来ダンジョンと言うのは魔力の異常が見られる地帯に形成されその魔力の大きさにより魔物数と強さが変わる。

そんな場所の魔物を1度完全に倒しきった所で根本的な魔力の異常を排除しなければ数日もすれば魔物の数も元に戻る。


それにここは隠された場所で俺とリオ達ぐらいしかもう知っている人間はいないはずで人の手が入っているとも考えにくい。


「着いたか…」

そんな事を考えている内に俺は最下層の最後の部屋まで来ていた。


俺はその石でできた重い扉を開く。


中に入ろうとした瞬間だった。

俺はその足を止められる事になる。


「やっと来たね。」

「待ちくたびれたよ」


そこには銀髪で長髪の15歳ぐらいの少女がいた。


「子供…?」

一瞬迷子かと思ったがそんな訳がない。

少し遅れてナイフを構える。

見た目こそ子供だがこの場所にいる時点で只者では無い。

何より視認するまで気づけないぐらいには気配が無い。


「うんうん♪ちゃんと警戒する事はいい事だよ?」

「でもちょっと遅すぎかなぁ♪殺す気なら7回は死んでるよ?」


「全くなんなんだ…」

ナイフを持つ手が少し震える。


「それでぇ〜早速で悪いんだけど…少し痛い事するね?」

刹那

視界から奴が消えると同時に身体から鮮血が飛び散る。

幸い傷は浅い。


「ん〜やっぱりまだまだ使いこなせてないねぇ…」

背後からそんな声が聞こえる。


「速すぎんだよ…」

俺は声のした方向にナイフを薙ぐがもちろん当たらない。


「うーん…仕方ないこのままじゃいつまでたっても扱えそうにないから少し授業をしてあげよーう♪」

そいつは相変わらず楽しそうに話を続ける。


「またわけの分からねぇ事を…こっちは既に頭がいっぱいなんだがなぁ…」

正直最近色々な事が重なりすぎている…

少しは自重して欲しい。


「まぁまぁそう言わずに〜♪」

「それじゃあ問題です!君は勇者の血筋でしょうか?それともただの一般人でしょうか?」


そいつはそう言いつつとんでもない速度でこちらに向かってくる。


「チィッ?!」

何とかそいつの攻撃をナイフで防ぐが防いだ瞬間既に距離を取られていた。

レベルが違う。


それより…

こいつはどこまで知っている?

今までどう切り抜けるかを考えていたが気が変わった。

もしかすると今までの事が色々分かるかもしれない。


口角が少し上がる。

「勇者の血筋だ」


「正解!流石にこれは知ってたみたいだね。」

奴はまるで子供の成長を喜ぶように楽しそうに笑う。


俺は勇者の血筋だ。

というより俺の村自体が勇者の子孫が集まって出来た村だ。


ただ俺は血が薄く能力らしい能力がない。

実際最低でもここに2回は来てる訳だがなんの能力も発現していない。


そんな事を考えてる間にも容赦なく攻撃を仕掛けてくる。


ただかなり手加減しているのか何とかギリギリで受け止められる程度のスピードと重さの攻撃しか飛んでこない。



「それじゃあ次の問題。貴方の能力はなんでしょーか?」


能力…か……

俺はそれらしいものが一つだけある。

ただそれが能力なら他の人間の能力をただ強化しただけのザコ能力だ。


それは…

「付与魔法の能力。」


もしこれが俺の能力なら初めて此処に来た時に強化された力なので辻褄は合う。


しかし…

「残念。それは違うよ?」

「1度発動してるはずなんだけどね?やっぱり覚えてないのかな?」


発動している?

俺は少なくとも過去何か特別な力を使った記憶は無い…


少し考える。


「戦闘中に考え事なんてして大丈夫?」

そんな声が足下から聞こえる。


「クッ…!」

反応が一瞬遅れた。


このレベルの戦闘で一瞬でも相手から視線を外せばもちろんタダではすまない。


「だいじょーぶ♪死にはしないよ?…多分?」

そんな風にいいながら構えた拳を繰り出してくる。


強化(ブースト)!」

俺は覚悟を決めて強化魔法をかけ腹筋を固める。


ドンッ…!


鈍い音が響き渡る。

彼女の腕があまりにも深々と突き刺さる。


「ゴフッ……」

俺は吐血し膝から崩れ落ちた。


「ありゃ?やり過ぎちゃった?」

そう言いながら彼女は腕を引き抜く。


「ゲホゲホッ…」

血のせいで呼吸が上手くできない。


くそ…

傷口の焼けるような熱さと裏腹に寒い。

視界がぼやける…

あぁ…まだ死にたくねぇなぁ…


「あっちゃ〜流石に死ぬかな?」

彼女はそう言いながら俺の傷口に触れる。


その瞬間暖かい光に包まれる。

俺はこれを知っていた。


1度だけそれを見た事がある。

昔不意に魔物の攻撃を受け死にかけた時だ。

アリスが必死になって詠唱してくれた回復魔法。

それと同じ力だ。


ただ今回のはその時と違い無詠唱、そしてその時よりも強く大きな光だった。


すぐに身体の傷が塞がり立ち上がれるようになる。


「何故助けた…」

こいつの行動が何一つ分からない。

いきなり襲ってきたと思えばいきなり俺以外は知らないようなことまで知っている。

そして挙句の果てには襲った相手の回復までする始末だ。


「そりゃあ〜…私の目的は君を殺す事じゃないからね。」


「じゃああんたの目的はなんだ…」

「それはヒミツ〜♪今は言うべきじゃないからね。」


「まぁまぁとりあえず座りなよ?」

「死にかけたんだし休憩時間ぐらいは取ってあげるよ?」


どうやら今すぐどうにかするつもりは無いらしい。

ありがたいが不気味だ。


「……少し質問してもいいか?」

「そうだねぇ…少しだけならいいよ♪」

「答えるかどうかは気分次第だけど♪」



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