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朧 OBORO  作者: 悠良木慶太
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学校はミッション系で、授業の中にキリスト教の教えを教会の司祭から聞く時間はあるが、入信しなければならない訳ではなく、哲学や道徳の延長のようなものであった。その代わりに、見知った司祭に心の相談などが出来るメリットは学生にとってありがたく、何か悩みがある時は大学構内の教会に相談に行く生徒は少なくない。相談を聞いてもらううちに、自然と洗礼を受け入信する生徒は毎年一定量いる。ただし、日本人の行事も尊重されていて、正月やお盆などは勿論、社会生活上協調する必要があるものは他の学校と何ら変わりない。秋に学園祭と同時に近隣の住民や商店街の人達と協力して行う祭りでは、同時に教会のミサもあり、融合した文化として認め合い、宗教を前面に押し出してはいない。一般的な日本文化であるお盆を過ごす家庭は当然多く、寺の娘を母に持つ翔や、普通に母親の墓参りに行く聡史の家は、伝統的なお盆を過ごす。

聡史は楓との面会を済ました後、車で送ってもらう途中、翔に「山に登った後、海にも行こうぜ」と言いながら、『雫を誘え!』と言わんばかりに後部座席の翔にプレッシャーをかけていた。仕方なく雫に「ねーちゃんも行く?」と言ったところ「どこに?三浦とかは嫌よ。混むし。」とそっけなかったので「静岡の史隆叔父さんに別荘借りれるか相談できるかな?」と声を掛けた。「誰も使っていなければ大丈夫じゃない?電話してみなよ。」となり、その場で電話したところ「8月後半は誰も使わないからいいよ。」と言われ、槍穂岳の件についても報告した。叔父は深山や宗麟から連絡があった事を伝え「楓さんがOKなら大丈夫だから楽しんできなさい。」と応援された。さらに「お盆に来る時に山での出来事も教えてくれ。」と言われた。一連の話をしたところ雫は「OK!寛美(ロミ)にも聞いてみる。教授が海外だから時間作ってくれると思うよ。麗香(レイ)は渡米しちゃったから。翔。美鈴(みーちゃん)誘ってみれば?喜ぶよ。」「ですよね~。」と聡史はご満悦で帰宅したのだった。


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