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朧 OBORO  作者: 悠良木慶太
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バスを覆う背の高い竹林が朝陽を遮り車内に影を落とした。隣の聡史はまだ眠っている。進路方向右側の谷はガードレール越しの竹藪が景色を隠していた。翔の座る窓の外は山の斜面になっていて藪の中に所々、白いヤマユリが群生していた。道は大きく左にカーブする。短い直線に入ると道幅が広くなり竹林を抜け杉の並木道になり、バス停が見えてきた。

白く大きなクロッシェタイプの帽子を深く被り、肩を露出させた白いワンピースとハイヒールの女性が立っている。バスは速度を落とすことなく通過した。

「あっ。」と思い、目の前を通過してから後ろを見る。女性は姿勢を崩さずバス停の後ろに立っていた。前に座っていた男の子が「運転手さん止まらなかったね。おねーさん大丈夫かな?」と隣の母親に言う。「えっ?誰もいなかったと思うけど。もう、そういうのヤメテって言ってるでしょ。もう少しだから静かにね。」

母親は少年の帽子を直して言った。

翔は座り直して前を向く。

道はまた狭くなり、背もたれに体重がかかる。左側の崖崩れ防止の緑色をしたネットが斜面を覆う直線に入ると、右側の杉並木は白樫の自然林に代わって行った。

日は高くなり、霧は晴れ、風光るような空が見える。

いよいよ終点の槍穂岳登山口。登山ルートのシミュレーションは何度もやった。天気予報では一週間は晴れが続くらしい。見たいポイントも頭に入っている。予定通りに進めば三泊程度で道志川へ抜け山中湖へ行く。

二人とも体力には自信がある。怪我にだけ注意すれば楽しい旅になるはずだ。


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