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瞬間なかすぃ~  作者: 中島賢二
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superflyれ

「superflyのコンサートに、友達と二人で行くつもりにしてたんだけど、友達が行けなくなったの。友達に福岡の運転お願いしてもらう予定だったんだけど、私は、福岡はちょっと運転できないな。だから、福岡を運転できる人を探しているんです。で、中島さんどうかなって思って。」

知り合いの女の子が言ってきました。三十半ばの頃でした。superflyは顔と名前と代表曲を知っている程度ですが、まあまあ好きだったし、暇だったし、その女の子とは、話が合う感じだったので、二つ返事で行くことにしました。


 車はその娘が出す。僕が運転する。その娘は、長崎市の隣町。諫早市に住んでいたので、長崎に住んでいる僕は、当日諫早まで電車で出てきて合流しました。福岡までの車中は、とりとめもない話題で盛り上がっていました。夕方、福岡サンパレスホールに着くと、いよいよファンが集っているらしく特殊な活気がありました。Superflyのコンサートはタオルを振ってノるらしく、僕とその娘はコンサート初めてだったので、コンサート前の物販でタオルを事前に買って、スタンバイしました。


Superflyのコンサートは、かの『愛を込めて花束を』が披露されるなど、それはそれは素晴らしいものでした。タオルを振って、盛り上がって、知ってる曲も、知らない曲もよいものでした。


帰りの車の中。話はsuperflyで持ち切りでした。あの曲よかったね。登場の仕方かっこよかったね、あそこで舞台がああなるとはね。タオルは我々が買ったやつは少数派だったね・・・・・。


そんなことを話しているうちに、

「ファンクラブに入ったら、情報がかなり入るみたいですよ。うわー、楽しみですね、中島さん。」

と言われました。いかん。Superflyはよかったけど、そしてタオルとかは買ったけど、今日一日でファンクラブに入るほど、ずっと会費を払って情報をもらい続けるほど夢中になったわけではない。でも、ここでファンクラブ入らないよと言ってしまうと、盛り上がっているこの場が興ざめだ。なんとか話題をそらさないと。考えろ考えろ・・・・。あ・・・天才のけんちゃんは妙案を思いついた。さっそく実行に移した。

「ファンクラブかー。でも今、僕のファンクラブで手いっぱいだからなー。」

「え?中島さんのファンクラブ?」

「そ。僕のファンクラブ。」

「アハハ。中島さんのファンクラブ入ったら、どんな特典があるんですか?」

「僕を最前列で見られるよ。」

「そうなんだ!アハハ」


よし、ごまかした!僕の天才的な知恵と判断力の勝利だ!そして、ファンクラブには会員がまだいないというオチをつけて、この勝利を確実なものにしよう。


「ま、僕のファンクラブ最前列空いてるけどね。入る?」


ポンポン軽快な言葉のやり取りがあってたのに、突然、しばらく沈黙があり、女の子は神妙な口調で語り出しました。

「中島さん、そういうのって違うと思う。」

「え?」

「そういうのって、違うと思う。」

「え?」

「私は、ただ、福岡を運転できる人をさがしていたの。で、中島さんならいいなって。それだけなのに、そんなこと言われたら、困る。」


・・・どういうことだ?何が起きた?考えろ考えろ。天才とやらの知恵と判断力で・・・。


ああーっ、分かった!しまった!「僕のファンクラブ最前列空いてるけどね。入る?」が遠回しな愛の告白と勘違いされているんだ。うわ。顔から火が出るほど恥ずかしい。この状況、どうする?どうする?どうする・・・?


ここで、違うよと否定するのは簡単。でも、今、僕は顔から火が出るほど恥ずかしい。このこれほどの恥ずかしさを、違うよと否定したら女の子に転嫁することになる。転嫁してよいのか?女の子に恥をかかせる、お前はそんな男なのか?侍なのか?考えろ考えろ・・・・・。


―以下結論。


「いや~、ごめん。つい気分が盛り上がって調子に乗っちゃった。こうなったら付き合っちゃえばいいかな、なんて。ごめん。」


僕が遠回しな告白をして、振られたということのままにして、おどけて丸く収めた。丸く?僕は顔から火が出るほど恥ずかしいんだぞ!全然丸くない!それでいいのか?お前はそれでいいのか?いや、それでいいんだ。俺は男だ。侍だ。


諫早で女の子の車を降り、諫早駅から長崎駅までの間で、侍はコンビニで買ったビールを三本一気に飲みました。そしてそのままじゃ飽き足らず、長崎駅前の居酒屋チェーン店で、一人飲み会をしました。

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