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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?  作者: ゆみねこ
悩みを聞いたら、学年一のイケメンとクズ男の因縁が見えたってマジ?
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暴走しちゃうこともあるよね?

 俺と楓、早苗さんは出ていってしまった武雄さんを除いて、綺麗に盛り付けられた桃を余す事なく食べた。

 久しぶりに食べる桃は柔らかくて非常に甘かった──因みに余りの美味しさに楓は食べる手を止める事が出来なく、食後には少しの間気分を悪そうにしていた。


 早苗さんが楓の介抱をしている間に、俺は片付けとかを行っていた。正直得意ではないが食器類や調理道具を洗い、渡された新品の歯ブラシで自らの歯を磨いた。

 そうして諸々の作業を行った後にまたソファに座ってぼんやりとしていると、決して弱くはない睡魔がゆらりゆらりと襲ってきた。こっちへおいで、こっちへおいでと地獄の果てへと俺をみちび──って、何で地獄やねーん……。


──おっと、これはかなり不味い状態ですわ……。


 自分でも寝ているのか寝ていないのか分からない様な状態で船を漕いでいると、どこか遠くでガチャリという音が聞こえた様な気がした。

 遠くでなったのだから自分は関係ないのだと思い、俺は睡眠を続行すると──首の周りに何かが回されたような感覚がした。


 言い表すならば首元に蛇が巻きついたような感覚。にょろにょろと首元を這って、力は弱いが確実に絞めてくる。

 ただ、本物の蛇と違うのはその鱗がツルツルとしているのではなく、もこもことしている事──本物を何で知ってるかって? 厨二病だったからだよ!!!


「──うおっ」


 胸中のツッコミが思いの外睡魔に溺れていた意識を揺れ動かし、パッと意識が覚醒した。

 目を開くとそこには、白いモコモコとした生地でキラキラとした装飾が施されたルームウェアを纏った楓が居た。彼女はパッチリとした目で俺の事をじっと見つめてきていて、気付かなかったが彼女の細い指は俺の耳たぶに伸ばされていた。


「ありゃ、起こしてしまいましたか」

「起こしたには起こしたけど、起こしてないには起こしてない」

「どっちですか?」


 楓はそう問いかけてくるとくすりと笑った。仕方がない、楓の腕を蛇だと思ってツッコんだらびっくりしたのだから──うん、訳分っかんねぇな。

 

「──それで、楓さん?」

「なんですか〜?」


 白々しくも何も分からないかの様な反応を見せる楓。しかし、俺の言外の問いかけを確実に感じ取っているらしく、俺の耳たぶへのもみもみ攻撃は更に加速した。

 普段ならば頬を突くなりして観念させるのだが、今は楓が上から乗っかる形になっている……残念ながら脇腹までしか指が届か──脇腹まで?


「楓さん……?」

「ふふ、何ですか〜?」


 仕方がない、これはもう容赦なくやるしかない様だ。いけないのは面白がって止めなかった楓なのだ。

 俺は空中でわしゃわしゃと指を動かすと、そのまま彼女の脇腹にくっ付けた。


 もこもこのルームウェア越しではあるが、本当に無駄な肉がないのが伝わってきて感動を通り越して心配になってきた。

 しかし、だからといって俺は指の動きを止める訳にはいかない。アイツに教わったくすぐり方で楓の脇腹を攻撃すると──


「…………!」


──楓は身体をピクリと跳ねさせた…………跳ねさせただけ?!


 楓からは想像していた反応が得られなくて、俺は逆に激しく動揺させられた。大きな声で笑ってくれるものだと……。

 しかも、ピクリと跳ねたのはおおよそ突然触られたからであって、くすぐりそのものに対する反応ではない──どうして、くすぐられているのにそんなに余裕な表情なんだい?


「ふふ、私が効くのはここですよ♪」

「……っ!」


 楓はそう言うと、挑発的な表情で自らの鼠蹊部をツーっとなぞった。しかも、自らの指でもくすぐったく感じたのか、「……ぁっ」と色っぽい声まで漏らしていた。

 彼女のそんな姿は異常に艶っぽく見えて、俺の心臓がまるで掴まれたかのようにキュッとなった。


 楓は痛いくらい激しく拍動する心臓の状況を感じ取ったのだろう。心なしか勝ち誇った様な表情を浮かべているような表情となって、俺の耳たぶいじりを再開した。

 少し想像しただけでも心臓は激しく拍動を打つが、そんな挑発とも取れる彼女の行動を受けて黙っていられるほど落ちぶれていないんだ!


──と、深夜ではないが半分深夜テンションというか、吹っ切れた俺は気付かれない様に彼女の腰……もとい鼠蹊部に手を伸ばして優しく触れた。


 すると──彼女の身体はさっき以上にびくりと跳ねて、俺の耳を触っていた手も止まった。氷の様に固まってしまった楓だったが、完全に吹っ切れてしまった俺はそのままサワサワと鼠蹊部をゆっくりなぞった。

 すると、彼女の身体は次第にぷるぷると震え出して──


「──ひゃう……っ!」


 楓は小さくない声量でそんな嬌声を上げた。彼女の艶かしい声は耳朶を打ち、全身に痺れが走った

 痛くも甘いその痺れは殆ど崩れかかってしまっている理性を確実に刺激し、機能を停止させた。


 そうなってしまってはもう止まらない。


 俺の指先はさっきよりも強く少々乱暴に、楓の鼠蹊部を撫でて刺激した。

 その加減が丁度良かったのか、楓はさっきよりも激しく身を悶えさせてから、声は我慢した様だが熱い吐息を漏らした。


 その様子が更に俺の獣化に拍車を掛け、俺の指は無意識的に鼠蹊部から彼女のキワどい所へと移動しようとした。

 しかしまさに触れそうだというその時──


「──しゅうと……くんっ!」

「…………ッ!」


──ぷるぷると震えるだけだった楓は俺の名前を絞り出す様に呼び、本当に本当に弱く身体を押し返してきた。


 明らかな拒絶の意思を含んだその行動はすんでのところで俺を止め、急速に理性を再構築させた。

 モヤ掛かっていた思考が一瞬にして晴れ、その瞬間俺は楓から大幅に距離を取った……のだが、肘掛けのないソファだった為に俺は背中から落っこちた。


「だ、大丈夫ですか!?」


 ドンッと激しい音を鳴らしてぶつけた箇所はズキズキと鈍重な痛みを響かせ、俺はその場に大の字になって倒れ込んだ。

 間もなく、顔を上気させた楓がソファの上から心配そうな表情で覗き込んできた。


 欲望に任せて酷い目に遭わせてしまう寸前まで行ったというのに、俺の事を心配してくれる楓に罪悪感を抱きながら俺は身体を起こした。


「めっちゃ痛いけど大丈夫。馬鹿な事をした自分への罰だと考えれば妥当だよ」

「そんな……。柊仁君は悪くないです……」

「いや、俺が悪かった」


 至極簡単な理論を展開したはずなのだが、楓は申し訳なさそうな顔をふるふると振ってきた。

 しかし、悪いのは百二十パーセント俺であると肩を落として言うと、楓はキッと眼光を鋭くして言い返してきた。


「悪いのは私ですっ!」


 何故にそんなに頑ななのかは分からないが、楓はしっかりとした声で訴えてきた。


「悪いのは柊仁君の静止を振り切って続けた私の方ですよ……」

「──いや、おれっ!」


 楓はそう言いながら悲しそうな顔をして、自らの胸の前に握った拳を近付けた。

 その拳を見るとさっきとは種類の異なる震えが生じていて、それを見た瞬間俺は直前の楓を真似て部屋いっぱいに響くように叫んだ。


 悲痛な表情を浮かべていた楓だったが、突発的な事で驚いていた様に見えたが──すぐに言い返してきた。


「──私です!」

「……俺!」

「わたし!」

「おーれ!」


 そんな子供みたいな言い合いを一頻り続けた後に、俺達は顔を見合わせて笑った。


「あはは、何を言い合っているんでしたっけ?」

「さあ、忘れちゃったな」


 悲しい顔なんて一切消えて、楓の明るい表情が戻ってきてくれた。

 自らの反省を胸に刻みつつも話題を流し、事なきを得たと思ったら──


「柊仁君の指さばき……気持ち良かったですよ」

「……ばっか、掘り起こすんじゃないよっ」


 俺の耳元に口を寄せて、吐息多めに言葉を囁いてきた楓。そんな一瞬の刺激に俺の理性は揺るぎかけて……っていかんいかん。

 本当に、拒絶したり誘う様な真似をしたりよくわかんない子だなと思っていると──


「──お布団の用意が出来たわよ〜♪」


 楓の介抱が終わった後に俺の寝台を準備してくれていたのか、早苗さんはひょこっと扉の外から顔を覗かせてそう言ってきた。


「あ〜りがとうございます! 今日は疲れたのでそろそろ寝させてもらいたんですが──俺はどこで寝るんですか?」


 この家には恐らく使われていない部屋が幾つかあると思う。

 その内のどれかを……最悪武雄さんの第二の部屋でもいいからその辺で──


「──楓の部屋よ」

「へっ?」

「だから、楓の部屋よ♪」

「「ええええぇぇぇぇ!?」」


──いや、知らないんだろうけどさっき危ない目に遭ったっていうか、遭わせそうになったんですが? しかも、年頃の男女を同じ部屋に寝させようとするとかどんな神経してんですかねぇぇええ!!

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