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スター  作者: スミレ
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1話 自己紹介

私は23歳の社会人である。私は意味がある事柄が大好きである。

しかしながら、意味ある事とはとても区別が付きにくいものである。

区別が付きにくいと人は差別を起こしてしまう。差別する理由は、その方が簡単だからだという。

失敗することで、相手を傷つけることで、自分の無駄を無くす手段を取ってしまう。

いくら冷静な人間だって沈黙は嫌う。孤独を嫌う。努力を嫌う。

『楽になりたい』ことが『本当の幸せ』なのではないのだろうか。

人は誰だって自由が欲しい。その為に手段を選ばないのだろう。

『やぁ、初めまして。』

『君はこの世界を知らない。だから僕は君の為に生まれたんだ。』

『驚かせてごめんね。でも君は何も知らないんだ。その感情は当たり前なことなんだよ。』


流れ星のように彼は語りかけて、去っていった。遠くなるが、光が途絶えることはない。


ここは『スター』。光るもの達しかいない世界。その物語である。


???『この世界にはルールはない。モラルもない。宗教もない。』

   『この世界を限られることにはできないが、限りあるものはある。』

   『難しいお話は終わりだ。さぁ、今日を終えよう。』

   『私の自己紹介で君は君を捨て、明日の君を迎うことが出来るんだ。』


誰かに呼ばれたように目覚めた。

ここは朝もない。だから、夜という言葉もない。

真っ暗ではあるが、光がある世界。これが『スター』なのだ。

いつ名乗ろうか迷っていたので名乗らせていただくが、私の名は【ノーマル】だ。

あまり面白い名前じゃなくて申し訳ない。だが、まぁ、よろしく頼むよ。

スターの世界はとても単純なものだ。

皆それぞれ自分を輝かせるために日々を過ごす。

私のやることは【当たり前】だ。寝坊がちな友達を起こしたり、面倒なことが起きる前の根回しだ。

いつしか私にはこの習慣が身についており、これが日常なのだ。

私がいることで世の中は回っているらしい。近所のジジィが言っていたよ。

僕はただわかる範囲のことを、当たり前に行っているだけなのに、褒められている。

不可思議で仕方がない。当たり前だろう?そんなことは。 皆はどう思う?おかしくないよね?



ノーマル『ねぇ、ジィさん。褒めるのは止めてくれよ。自分が生きていることが奇跡みたいじゃないか。』


イリプレイス『儂の名はイリプレイスだと言っているだろう?ノーマル。』


ノーマル『別にどうだっていいだろう。ジィさんは、ジィさんだ。』


イリプレイス『今日も良い一日を与えてくれてありがとうな。ノーマル。』


ノーマル『だから止めてくれよ。嫌なんだよその言葉が。』


イリプレイス『でも【置き換えられない】ことが儂の使命じゃ。お前は素晴らしい。そうだろう?』



この世界にはルールがない。モラルもない。宗教もない。

なぜこのように、光あるもの達が永遠と長くあり続けれるのか、それを問いかける者もいない。

何の為に私は生まれたのだろうか。そんな問いかけも生まれない。

過去の先人達は多くのことを悩んでいたようだ。

各地に散らばった石碑。魂。もの。痕跡。その他色々散らばっており、纏まりがない。

時折にじみ出る液体から音が聞こえる。その音を聞くのがこの世界の発見でもあるため、皆密に研究をしている。 音も色も温度も質感も。視線の痛さも音の煩さも。季節の変わり目もその趣きも。

誰もが滲み出る時を待つ。 背中を向けてはいるが、心はいつも見ているのだ。

私には伝わる。何故伝わるかは知らないけれども。


『ノーマル』 → 【当たり前】

『イリプレイス』 → 【置き換えられない】


当たり前だと思っていることが素晴らしいことだと思ってしまうと、当たり前にやっていたことを忘れてしまう傾向があります。忘れてしまわないようにするには習慣付けるのが一番大切なのです。しかしながら、イリプレイスはその考えすらも素晴らしいことだと言います。かけがえのないことは、当たり前なことではないのに、何故当たり前のように存在しているのでしょうか。

大切なものを見失わない為に私達は、何を見るべきなのでしょうか。

いつかそれが分かったとしても、そのことに慣れないでください。

慣れればあなたの中のかけがえのない存在は当たり前に存在しているものと変わらなくなります。

どうか、どうか、気を付けて。

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