ルベラルバスVS
「オラオラオラァ!!」
「行くわよなの! 禍爪!」
「やるっちゃ? やるっちゃ!!」
鉤爪を付けた男が接近し、黒い爪を纏った女と風を纏った両腕をかざす男の攻撃を、ルベラルバスは、ラミュニとセルアの援護を受けつつかわしながら、斬り裂いてを繰り返す。
「ああ、めんどくせぇな……本気になるぜ?」
そう言うと、ルベラルバスの身体に赤いオーラが宿る。
それを見たセルアとラミュニは、改めて彼の『レッド』としての力を思い知らされた気がした。
「行くぜ?」
そう宣言すると、ルベラルバスは先程までとはまるで違う、とてつもない速さと攻撃力で『三対の爪』の三人を、たった一人で押して行く。
「な、なんだぁこいつぅ!?」
「人間なの!?」
「めちゃくちゃっちゃ!!」
各々叫びながら攻撃を繰り出す三人をもろともせず、ルベラルバスは何度も何度も斬り刻んで行く。すると、『三対の爪』の三人に異変が起きた。
「再生がぁ追いつかねぇだ……」
みなまで言わせず、ルベラルバスは彼らにトドメを刺した。三人の血がベッタリと双剣に付く。それを、マントで拭き取ると、援護に専念していたラミュニとセルアに向かって言う。
「さてと、片付いたな。行くぞ」
その答えを二人が言おうとした瞬間だった。
「どこに行くというのかね? 侵入者共」
気配なく現れたのは、灰色のセミロングの髪に紫色の瞳をした男、皇帝ヴレマヴロ・アスラフィルだった。