現れたのは
部屋を破壊した直後、警報が鳴り響く。
「ふん、警備だけはいっちょ前か? 何を守ってんだか……けっ。まぁいい。行くぞ」
「……あ、ああ。そうだな」
「ええ、行きましょうか」
三人は足速に部屋を出ると、中心部に向かって走り出した。
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しばらくすると、先程とはまた違った気配を感じ取る。
「今度はなんだってんだ?」
口調はいつも通りだが、目付きは真剣そのものなルベラルバスが先陣を切り、気配のした方へ行くと、そこには、長い白髪に上半身裸で、ダボダボとしたズボンだけを履いた男が二人と、胸に布を巻いた女がいた。
「あぁ? 俺様達の前にぃ堂々と現れるとはいい度胸だなぁ?」
「どこから入って来たか知らないけれど、侵入者は倒すのみなの!」
「お前ら強そうっちゃ? 俺っち達『三対の爪』と戦うっちゃ?」
不気味な気配のする彼らに怖気づくことなく、ルベラルバスが言う。
「ああ、お前ら共々ぶっ殺してやるよ。ラミュニ、おっさん! 援護しろ!」
そう言って、ルベラルバスは双剣を抜くと、『三対の爪』の三人に向かって突撃して行く。彼らもまた、各々武器を出し、ルベラルバスを待ち構える。
「妙な武器ばっかだな! だが、関係ねぇな! ラミュニ! おっさん!」
「あいよ!」
「お任せ下さい」
ルベラルバスに言われ、ラミュニがバズーカを放ち、セルアが魔術で氷の雨を降らす。
「何なの!?」
「そっちの方こそぉ、珍しいじゃねぇかよ!!」
「俺っちびっくりっちゃ!」
三人とも同様している間に、ルベラルバスが一気に接近し、斬り裂いて行く。
あっさりと方がついた──と思いきや。
「ほう? どこまでも気味悪ぃな。再生か?」
斬り裂かれた『三対の爪』の三人が、ゆっくりと身体を再生させながら立ち上がる。
「勝負はまだまだってことか……」
そうため息をつくルベラルバスの目には、殺気がこもっていた。