理由と
「おい! 本当に殺せるのか!?」
執務室を出てすぐに、ラミュニが言うと、
「ああ。それが俺の……存在理由だからな……」
「……アンタって本当に救えないな。まぁいいか。アタシも行くから! 『科学』の有用性を知らしめるチャンスだからね!」
「では、私もお供させて頂けますか?」
二人がやり取りしていた背後に、いつの間にやらセルアがいた。横槍を入れられ、不機嫌そうな顔でルベラルバスが言う。
「ああ? お前が来てどうすんだ?」
「お二人はどちらも物理攻撃に特化されておりますね? 魔獣共の中には、『魔術』しか効かぬものもいると言います。どうか、元とは言え『魔術師』の端くれの私をお連れ下さい」
そう言って深く頭を下げるセルアに、ルベラルバスは少し考えた素振りをした後、
「構わねぇが、足引っ張ったら置いていくぜ?」
そう言い放つ彼にラミュニが言う。
「アンタ、失礼だろ! すみません、セルアさん!」
「いえいえ、こちらこそありがとうございます。無茶な話を聞いて下さって。それで、いつ出発なさいますか? 私はいつでも大丈夫ですが」
そう言われ、ルベラルバスはラミュニの方を向く。
「ラミュニ、お前の武器はいつ頃準備出来る?」
「え……アタシのはアンタに合わせてるから、いつでも大丈夫だけど?」
その答えに満足そうに頷くと、ルベラルバスがギラついた目で言う。
「んじゃ、これから行くぞ!!」