依頼の内容
「おう、俺がルベラルバス・グレンベックズだ」
座ったまま挨拶をするルベラルバスを睨みつけながら、ラミュニが丁寧に挨拶をする。
「アタシがラミュニ・シュテーラです。はじめまして、ライハナサン様。この度はご依頼ありがとうございます」
二人の挨拶に、ライハナサンは目を細めると、
「丁寧な挨拶、ありがとうございます。ラミュニ殿。そして、ルベラルバス殿。さて、挨拶はそこまでにして、早速本題に移りましょうか」
そう言って、ライハナサンはラミュニを座らせ、自身も反対側のソファに腰掛ける。
「それで? 依頼ってのはなんだ?」
「はい、ルベラルバス殿。僕の依頼と言うのは、僕達と冒険者ギルドを作ってみませんか?」
ライハナサンの言葉に、二人は思わず顔を見合わせる。てっきり用心棒の依頼と思い込んでいたからだ。
「はぁ? ぼうけんしゃぎるど? なんだそりゃ?」
「お言葉ですが、ライハナサン様。アタシも初耳です。どんなものなのですか?」
そう言う二人に、ライハナサンは微笑みながら語り出す。
「僕がそう名付けたのですが、簡単に言うと、民や貴族、あらゆる種族からの困っていることなどを受領し、その報酬分の仕事をこなす。と言う、要はなんでも屋ですね」
「はっ! そんなん作ってどうする? この戦乱の世の中、雑用からなんまで困り事なんざいくらでもあるぜ?」
ルベラルバスのもっともな指摘にも、ライハナサンは微笑みを崩さず答える。
「だからこそですよ。僕はね、このグーガスラヒを国にしたいのです。つまりは泊をつけたい。それも、各国に利益を与えられるようなね? そこで考案したのが、あらゆる依頼をこなす『冒険者』と言うわけです。そして、その最初の『冒険者』を……」
「俺達にしてぇってか? はっ、舐められたもんだぜ……」
殺気を放ちながら言うルベラルバスに、まるで動じずに、ライハナサンは、
「舐めてなどいませんよ。むしろ、評価しているからこそです。貴方方は強い。そして、『科学』と『戦闘種族レッド』と言う組み合わせ。まさに、新時代に相応しいとは思いませんか?」
「思いませんかと言われましても……」
「新時代なんざ知らねぇよ。俺は……戦うだけだ!!」
そう言って立ち上がるルベラルバスに、ライハナサンが提案する。
「まぁ落ち着いて下さい。報酬は弾みますし、貴方方にとっても有益ですよ? どんどん有名になれば、その分、戦場にどんどん出られますし、『科学』の有用性も証明出来ますしね?」
そう言われてしまうと、二人には断わる理由が見つからない。押し黙ったのを見て、ライハナサンが言う。
「では、歓迎致します。『冒険者』殿」