ライハナサン・グーガスラヒ
馬車に揺られること一時間。
ようやく領主が住まう屋敷に辿り着いた。
降りてすぐに、ルベラルバスはのびをして欠伸をする。
「こら! アンタって本当に礼儀知らずなんだから……」
「礼儀なんざ、やりたいヤツがやりゃあいいんだよ。ふぁあ〜」
またしても欠伸をすると、ルベラルバスは両肩を後ろに回して伸ばす。そして、首をコキコキと鳴らし、
「おし! 行くか……」
面倒くさそうに言うルベラルバスに、ラミュニは呆れた表情を浮かべる。
「アンタねぇ……はぁ、まぁいいや」
そんな二人を、セルアは紳士的に対応する。
「お二人共、ご案内させて頂いてもよろしいでしょうか? 領主、ライハナサン様との謁見となりますが」
「えっ? それは……アタシ、まだ心の準備が……」
「いいじゃねぇか……お前はお前でよ! ガハハハ!!」
豪快に笑うと、ラミュニの肩を思いのほか優しく叩くと、彼らを待っていたセルアに続いて屋敷に入っていった。
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「それでは、ライハナサン様との謁見となります。どうぞ、お入り下さい」
緊張した面持ちのラミュニといつも通りのルベラルバスは、セルアが開けた扉の中へ入る。
そこはシンプルながらも広い客間だった。
ドカりとソファに適当に座るルベラルバスに、ラミュニがツッコむ。
「アンタなぁ……そんなに無礼なことばかりしてると、いつか恥かくよ!」
「あぁ? 別に恥なんか気にしねぇさ」
「全く……」
そんなことをしていると、いつの間にか別の扉が開き、セミロングの黒髪にシンプルながらも高貴さがわかる灰色のスーツを着た二十代くらいの男性が入って来た。
男は柔和な笑みを浮かべ二人に向かって挨拶をする。
「よく来てくれましたね。ルベラルバス・グレンベックズ殿にラミュニ・シュテーラ殿。僕がこのグーガスラヒ領、領主、ライハナサン・グーガスラヒです」




