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美女と化け物

「あ、アンタ、頭おかしいんじゃないのか!?」


 困惑を隠せない女性に対し、ルベラルバスは表情を変えずに言う。


「俺はお前を気に入った! だから結婚してぇ! 問題あるか?」


「問題大ありだ! あ、アタシは『科学』の素晴らしさを証明しなければならないんだ! アンタみたいな化け物相手になんてしていられるか!」


 ハッキリと拒絶する彼女をしりめに、勝手に彼女の首元を見て言う。


「ほう。ラミュニ・シュテーラ二等兵ねぇ……名前も悪くねぇ……ますます気に入ったぜ!」


「勝手に見るな!」


 そう言って彼を跳ね除けるラミュニを見て、無邪気な笑みを見せる。

 そんな姿に、ラミュニはここが戦場であることを一瞬忘れ思わずこぼす。


「……アンタって……一体何者?」


 そう問われ、ルベラルバスは真剣な……でもどこか孤独を宿した目で答える。


「俺は……ただの化け物さ」


 ****


 三ヶ月後。

 ルベラルバスとラミュニは共に行動していた。

 と言うのも、ルベラルバスはラミュニにべた褒れで彼女を逃がさず、ラミュニはラミュニで、彼と戦場に出れば高確率で生き延びれてかつ、『科学』の力を証明しやすいと考え直したからだ。


「で、アンタは今日はどうするんだ?」


「いい加減名前で呼んで欲しいもんなんだがな……まぁその内だな! 今日は……あー……なんか、フェイラス帝国? だったか? 内のグーガスラヒ領に行く」


 その答えに、ラミュニは思わず声を荒らげる。


「はぁ!?」


「なに驚いてんだ? 俺は傭兵が専門だが……たまには用心棒もやるんだよ」


「いやいやいや、そうじゃない! グーガスラヒって言ったら、今、フェイラス帝国とバッチバチの所じゃないか! そんな所に行くなんて馬鹿なのか!?」


 そう言われたルベラルバスは、豪快に笑うと


「気にすんな! お前は絶対死なせねぇからよ!!」


「そう言う問題じゃ……いや、もういい。アタシが馬鹿だった」


 不毛だと思ったのだろう。ラミュニは諦め、大人しくルベラルバスに着いて行くことにした。

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