出会い
「あはははは!!」
いつものように、敵をなぎ払いながら単身進軍して行くルベラルバスを観て、敵も味方も畏怖し、気圧されてしまう。
それに微塵も目もくれず、彼はただ戦うことだけに専念するのだった。
(俺のやることは一つ。戦うことだけだ!)
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「おい! アレを出せ! 何としてでも、あの野獣のような男を止めろ!」
スザリ軍の将軍が叫ぶ。その叫びにこたえるように、兵士達が何かを準備する。
「準備出来ました! いつでも撃てます!」
「よし、撃てぇぇぇぇ!!」
将軍の合図で大きな筒状の兵器、『大砲』から砲弾がルベラルバス目掛けて飛んでいく。
「ああ? なんだありゃっとぉ!?」
危うく被弾するところを、ギリギリで避ける。が、敵軍の砲弾の雨はやまず、どんどん降り注ぎ、味方軍と傭兵達は後退せざるをえなかった。ルベラルバスを除いて。
「おもしれぇ! その妙な武器、『科学』ってヤツだな? いいぜ、丁度色々試したかったんでな!」
そう言って、砲弾を華麗に時にはかわし、時には斬り裂きながら大砲部隊に接近して行く。
「お、おい! 何をしている! 早く奴を撃ち殺さん……か……は?」
気づけばいつの間にやら、ルベラルバスが将軍の目前にいた。
「よう。お前が大将か? この面白い武器、気に入った! もらうぞ? ついでにお前の首もな!」
将軍がこたえる間もなく、その首を容赦なく斬り落とす。それを見て、敵軍の士気がみるみる下がっていく。
それを確認すると、ルベラルバスは興味を無くしたようにその場を去ろうとした時だった。
何かの衝撃が、ルベラルバスの背中を襲う。
「ん?」
背中を見ると、左肩に小さな穴が空き出血している。そこから逆算して、攻撃された位置を見ると、そこには、震える手で銃を構えていた兵士がいた。その兵士は、もう一度、銃を構えると、ルベラルバスに向けて弾丸を放つ。が、
「今度は当たられねぇよ!!」
その攻撃をかわすと、全速力で走り、兵士の前へあっという間に辿り着く。
「ひっ……ば、化け物!!」
その声を聞き、ルベラルバスは首を傾げると、
「お前、女か?」
そう言って、乱暴に兵士のヘルメットを外す。すると、現れたのは長いストレートロングな銀髪に青い瞳の美しい女性だった。
それを見た瞬間、ルベラルバスは目を見開き、ニヤリと笑い言う。
「お前……いいな……俺と結婚しろ!!」