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零の杖の威力

 『翼』から高純度のマナが放出される。それを見て、ラファが珍しく冷や汗を流した。


「こんな高純度のマナ、生身の人間が放出出来る量じゃないぞ!?」


 ラファにつられてシャインとフレナも続く。


「……何が来る?」


「……なんか。ヤバそう、だよ!」


『翼』から黒い影の触手のようなものが無数に現れ、三人めがけて勢いよく飛んできた。慌てて回避すると、先程まで居た場所は黒く変色していた。


「触れられると一発アウトと言うわけだね! 厄介な!」


「そんなことを言っていないで、なんとかしろ! 大魔術師だろう!?」


 シャインにせっつかれ、ラファは空中に浮いて回避しながら考える。


(おそらく禁書の力で、無詠唱が出来ている……と思うが、それだけではないね……。知識がなければ扱えない代物だ)


「……ラファ! 触れられたら、終わり、じゃどうしようも、出来ないよ!」


 フレナが思わず叫ぶ。が、虚しくも、攻撃はどんどん速く、そして激しくなっていく。ラフル相手の時以上に、回避に専念するしかなかった。


「くっ!」


(マズイな……そろそろ、アタシの()()()()()()()()()使()()()()()()! そうなれば回避すらままならなくなるぞ!!)


(どうする? 私の詠唱では時間がかかりすぎるし、なにより、先程高位魔術を使用したばかりだ。マナの回復が追いついていない! それに、この触手は……魔術で防げるものではないね!)


 どうしたものかと、三人が必死になっていた時だった。

 いつの間にか移動したらしく、壊れた瓦礫を伝って一番高い位置に登っていたノオンがゼレンに対して大声で呼びかける。


「おやめ下さい! 父上! いえ、()()()()()()()()()()()()!!」


 そう呼ばれた瞬間、ゼレンの表情にほんの少しだけ動揺が見えた。


「ヴレマヴロ・アスラフィル? 誰だいそれは?」

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