フレナVSゲヌビ
「お前、あの時の奴っちゃ? なんか、強くなってるっちゃ?」
そう言って、風爪を容赦なく放ってくる。フレナは、それを左に避けると、ゲヌビに向かって走って迫り、大剣を振るう。
「うおっと! 危ないっちゃ!」
フレナの斬撃を華麗にかわすと、ゲヌビは風爪で攻撃をしかけてくる。
「……!」
フレナは大剣で受け止めると、そのまま横へ攻撃をずらした。
「んん? やるっちゃ? お前、面白いっちゃ?」
「……ゲヌビ。キミは、なんで、戦うの?」
フレナに問われ、ゲヌビは首を傾げながら言う。
「? 意味なんているっちゃ? 俺っち達は道具っちゃ?」
「……そう。なら、なんで、ボク達を、気にしてくれた、の?」
「? なんの話しっちゃ?」
困惑したような様子で言うゲヌビに、フレナは一息吐くと、
「……ゲヌビ。キミは、優しい、んじゃない?」
そう言って大剣を構えた彼に、ゲヌビは更に困惑した様子で、
「……? なんで……ちゃ? なんで……なんで……なんでなんでなんでなんでなんでぇぇぇぇぇぇ!?」
ゲヌビは叫びながら先程までとは打って変わり、無造作かつ雑な攻撃をしかけてくる。フレナはその全てを切り払うと、
「……ゲヌビ。ボクは、あの子が、危機に瀕しているなら、助けたいん、だ。だから!」
そう言って、攻撃が出来なくなったのか、頭を抱えはじめたゲヌビの腹部を思い切り殴った。
「ぐぎゃ!?」
妙な呻き声を上げながら、ゲヌビは後方に吹き飛ばされ、地面に転がる。
「……教えて。ユグルス……じゃなくて、紫色の髪の女の子、どこに、いるか、知らない?」
地面に寝転がっているゲヌビに近寄って聞くと、彼は静かに言う。
「お前、ソイツをどうしたいっちゃ? 俺っちは……わからないっちゃ……何も……わからないっちゃ!!」
そう言って頭を掻きむしると、ゲヌビはその場で意識を失った。
「……ゲヌビ?」
ゲヌビを起こそうとした時だった。後方から、声がする。
「フレナ、何をしている?」
振り返ると、そこにいたのはシャインとラファだった。