シャインVSハクラビ
弾丸は当たっているものの、相変わらず攻撃が効いていないのか、ハクラビは気にせずシャインに突っ込んでくる。
「そんなんじゃぁ、俺様に傷一つ負わせらんねぇぜぇ!!」
ハクラビは叫びながら、シャインの顔面目掛けて鉤爪で殴りかかるが、それをシャインはギリギリでかわす。
「ほぅ? ならコイツはどうだぁ!?」
ハクラビが両腕から、次々に攻撃をしかけてくる。が、それを全てかわすと、シャインは後方に下がり、弾丸を今一度放つ。
「あぁ? 芸がねぇなぁ? 俺様にそんなん効かねぇ……あ?」
ハクラビの右腕の付け根、脇の所から出血が出て、彼の右腕がだらりと下がる。
「あ? あ? あぁ⁉︎」
動揺を隠せないハクラビに、シャインが言う。
「どんな化け物であっても、一箇所を集中して狙えばいつかはダメージは入るものだ。……それに、そろそろ本気を出させてもらうぞ!」
そう言ったシャインの赤い髪と瞳が、紅く光出す。その様は……まるで"灼熱"のように。
「あ? お前どっかでぇ? あ! "灼熱のルーベ"かぁ!?」
「惜しいな。アタシは……その子孫だ!」
シャインは拳銃を再び向けると、先程までとはまるで違う、俊敏な動きでハクラビに近距離まで接近し、弾丸を放つ。弾がきれてはリロードし、放つを高速で繰り返す。
「あああぁ! うっぜぇなぁ!!」
動かせない右腕をそのままに、弾丸を受けながらシャインに少しでも近づこうと、ハクラビは動くが、最初の勢いは完全に失っていた。
身体のあちこちから出血し、動きは鈍くなっていく。
「うあああぁ! クソクソクソクソクソクソぉがぁ‼︎」
足掻き、暴れながら、抵抗するハクラビの両腕、両足を弾丸で撃ち抜き、吹き飛ばした。
「五年振りだが、英雄の血、レッド一族の秘術を込めた魔弾だ。ひとたまりもないだろう?」
「う、ががが……あぁ?」
完全に動けなくなったハクラビに、シャインが拳銃を向けたまま聞く。
「さて、聞かせてもらうぞ。ユグルスとこのフェイラスにはなんの関係がある?」
「あああぁ! 知るかぁ! 俺様は、ゼレン様の願いを叶える道具だぁ! ノオンさえいりゃぁ、お前らなんかいらねぇんだよぉ!!」
「……ノオン? 誰……いや、そうか。ユグルスの本名か?」
「うるせぇぇ!!」
「ちっ。これ以上は無理か」
そう言うとシャインはハクラビの脳天目掛けて弾丸を一発、放った。
言葉を発することも無く、ハクラビは完全に動かなくなった。
(……念の為だ)
シャインはトドメの弾丸を、ハクラビの脊髄にも放つと、
「ノオンにゼレン。そして、フェイラス。どう繋がる? とりあえず、ラファとフレナと合流するか」
そう独り言を呟きながら、二人を探しに歩きだした。