対峙
最初に動いたのは、ハクラビとシャインだった。
ハクラビが鉤爪を構え、シャインが拳銃を向ける。
「シャイン! 気をつけたまえ!」
ラファの声に、振り返らずにシャインは頷くと、
「おらおらぁ!」
接近してくるハクラビに向けて、距離を取りながら弾丸を放つ。その様子を見て、カマリとゲヌビも攻撃態勢に入った。
「わたし達もいくわよなの! 禍爪!」
「俺っち、やるっちゃ?」
「そうよなの!」
そんなやり取りをする二人に、フレナとラファも顔を見合わせ、
「あのカマリとやらは、私に任せたまえ! 三人の中で一番マナが濃いからね!」
「……じゃあ。ボクは、ゲヌビをやる、よ」
そう言って、二人も武器を構え、各々対峙する。
ラファの前に、カマリが立ち塞がった。
「わたしの相手はあなたなの? 言っとくけど、わたしの禍爪は強いわよなの!」
「ほう、それは興味深いね! みたところ、君がリーダー格のようだし……話を色々聞かせてもらおうか!」
その一方では、フレナとゲヌビが向かい合う。
「……キミ。は」
「俺っちの下僕になるっちゃ? お前、強くなったっちゃ?」
ゲヌビの問いに、フレナは静かに答える。
「……ボク。は、下僕には、ならない。し、強いかは、わからないけど、倒させてもらう、よ!」
こうして、三対三の戦いの火蓋は切って落とされたのだった。