表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/98

解放

「どうなっでるっぺ!?」


 目をひんむきながら驚くエクザの前に現れたのは、シャイン、フレナ、ラファの三人だった。


「五年ぶりの感覚だが……まぁ慣れるだろう」


「……本当に。なんとか、なっちゃった……」


「だから言っただろう! 私に任せなさいと! さぁ、反撃だよ!」


 腕をコキコキと鳴らすシャインに、両手を握り神妙な顔をするフレナ、そして自信満々なラファ。

 各々、五年かけての呪いから解放された感覚を味わう三人。その様子をみて、未だに状況が飲み込めないエクザが叫ぶ。


「おめぇら、どごがら湧いで来だっぺぇぇぇぇぇぇ!?」


「うるさい男だな。どうでもいいだろう? それより、詳しく外の状況を話せ」


 いつも通りのシャインに、フレナとラファは、五年ぶりに顔を見合わせて苦笑いを浮かべる。それをみて、シャインも少しだけ力を抜き、エクザに軽く事情を説明した。


 ****


「な、なるぼどだっぺ……ぞんな呪いがあるどばなぁ……」


 意外にも物分りがいいらしい。エクザは事情を理解すると三人に向き直り、現状を話し始めた。


「まず、フェイラス関連の遺跡がら出でぎだ魔獣に関じでば、Aランク以上の冒険者討伐隊で殲滅作戦があっだっぺ! だども、中々手強ぐで……ユスティティア連合軍も合流ばじだんだぁ。で、なんどが凶悪な魔獣ば殲滅出来だげども、やっぱり元凶を絶だねぇどいげねぇっでだっで、冒険者部隊ど連合軍の連携で、新生フェイラス帝国に攻め込んだんだっぺ! 大体、ごんな感じでいいが?」


 エクザのクセのある喋りにも、すっかり慣れた三人は状況を把握すると、話し合いを始める。


「と言うことだが……どうする?」


「……ボク。は、ユグルスが、心配、だよ」


「私としては、バッティから禁書を取り戻さなくてはならないし……シャインよ。君としても一軍人としてこの状況は、見過ごせないのではないかな?」


 ラファにそう振られ、シャインはため息を吐くと、


「……お前に言われるのは癪だが、確かに見過ごせん。……それに、敵の目的がわからん以上、調べるべきだろうしな」


 そう言って、シャインは武器を取り出し、動作を確認すると、ラファとフレナを見て言う。


「アタシは行くが、来るか?」


 その問いに、ラファとフレナは互いに頷き合うと、


「もちろんだとも!」


「……ボク。も、行くよ!」


 二人も武器を構える。すると、完全に置いてきぼりなエクザが言う。


「盛り上がっでいるどごろ悪いんだども、オラぁ、ユグルスっでのも助げろっで依頼受げでるんだっぺが!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ