表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/98

念願と悲願

【おい、わかるのか?】


【……下手に。動かし、たら、危なく、ない?】


 心配そうな二人を余所に、ラファはどんどん動かしていく。


「なぁに、この大魔術師に任せなさい! バッティに出来て、私に出来ない事などないのさ!」


 そうしていると、下からエグザの大声が響いてきた。


「何ずるづもりが分がんねぇげど、早ぐじねぇど連合・冒険者討伐軍が来ぢまうぞ!?」


【やはり、来ていたのか!】


【……来てるってことは。魔獣達、を、なんとかする方法が、見つかった、のかな?】


「それを気にしている場合じゃないよ、二人とも! さぁ、そろそろ念願だ! 意識はしっかり、身体はリラックスだ! 正直に言おう、失敗したら私達は死ぬだろう。だけれども、このままだと目的も何も果たせない! 覚悟はいいね!?」


【ちっ、仕方ないか】


【……う。うん!】


 そして、ラファが装置をいよいよ起動させると、彼らの身体が眩い光に包まれた。


「うぎゃあ! 何事だっぺ!?」


 ****


 一方。大部屋に監禁されているノオンは、一人途方に暮れたままだった。


(どうしよう……どうやったら父上を止められるんだろう?)


 そうしていたら、扉が開いた。ゼレンとラフルだ。


「あの……その人は……?」


「気にしなくていいさ。それより、ノオン。今度こそ、母さんを生き返らせようね? ラフル、後は頼んだよ」


「はい。ゼレン様」


 ラフルに後を託すと、ゼレンは部屋から出ていってしまった。残されたノオンはラフルの服装に気づく。


(あ、あれ? この人の格好、ラファさんに似てる? もしかしたら、ラファさん達の事を知っているかもしれない!)


「あの!」


「何かしら? 王女になれなかった禁忌の生贄様? あ、先に言っておきますわ。貴女のお連れ達とはもう二度と会うことはないでしょう。ふふふ」


「! それってどういう意味ですか!?」


 ラフルのどこか異様な妖艶さにも負けず、ノオンが聞くと、


「さぁ? それより、貴女は御自分の事を気にされた方が良くってよ? これから()()()()()()()()()()()()()()()()!!」


「……それ……は」


「さて、では参りましょうか? 全てはゼレン様の悲願のために!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ