伝説の
崩れた壁の隙間から、にゅるりと地下牢に入ってくる。その手には、金色に輝くクワを手にしていた。
「君はエグザ君だね!」
「オラを知ってるっぺが! いやぁ〜有名になっだもんだっぺ! あ、今助げでやっがらな! この伝説のくわ、えくすくわりばーで!!」
【……ウソ。本当に、あったん、だ】
【ここから出られればなんでもいい!】
「あははは……。早く助けてもらえるとありがたいな!」
各々の感想をいだきながら、エグザに素直に助けを求めると彼は大げさな動作で胸を張ると、
「任ぜるっぺ! いっげぇぇぇ! えくすくわりばー!!」
そう叫びながら、エグザがくわを振ると、とてつもない斬撃が牢屋と枷に入り、一瞬で粉々にしてしまった。
「がばばば!!」
嬉しそうなエグザに唖然としながらも、ラファは久々に立ち上がる。
「え、えぇと。ありがとう! 助かったよ!」
「ええっぺ! オラもえくすくわりばーの威力が試せで上々だっぺ!」
【……ところでなんでコイツがいるんだ?】
解放されたことで余裕が出たのか、シャインが疑問に思ったことを言う。
「あー……ところで君は、なんでここにいるのかな?」
エグザはこれまた大げさに仰け反ると、
「オラば、依頼を受げだんだっぺ! 確が、ラシエドどが言う冒険者だっだな! まぁ依頼ば、ユグルス? っで奴ど連れの奴が連れ去られだっで噂だがら助げでたっでぐれっで!!」
【【!!】】
驚くシャインとフレナの反応に、苦笑いを浮かべながらラファはエグザに改めてお礼を言うと、
「さてと。この地下牢……私のカンが正しければ……おっと」
【正しければ、分離できるはずだね!】
慌てて内側に向けてそう言うと、ラファは周囲を改めて見渡す。すると、天井に奇妙な装置があるのが見えた。
「これだね!」
ラファが翼で浮遊するのをみたエグザは、相変わらず大げさに驚き、
「おめぇ、空飛べるっぺが!?」
「ああ、そうともさ! そして、これからもっと驚くよ!!」
装置の上に乗ると、ラファは操作盤を見つけ、操作し始めたのだった。