ラファの再会
「……うぅ? ここは?」
ラファが目を覚ますと、そこは地下牢のような場所で、彼の両手両足には枷がはめられていた。魔術で外そうと杖を探すが見当たらない。そして、ふと気づく。
(……この枷、魔術封じが施それているのか?)
そう考えた時、内側から声がした。
【……ラファ。やっと、起きた、ね? 身体、痛くない?】
【……忘れるな。誰かが気を失えば、アタシ達は入れ替われないと言うことを】
身を案じるフレナと苦言をこぼすシャインの相変わらずさに、少し安心したラファは改めて周囲を見渡す。そこは、そこそこ大きな円形上の部屋で、ラファ達は中央に置かれた鉄格子に囲まれた部屋の両端から鎖で繋がれているようだった。
「……参ったね」
「そのようですわね、シファー様?」
部屋に響く女の声に、ラファの顔が険しくなる。
「その声、ラフル・バッティ・ノーダルネルだね?」
【……誰?】
【知り合いか?】
「ええ、そうでしてよ?」
即座に反応する二人の声が聞こえたのかのように、そう答えながら、ラフルが頭上から羽根を羽ばたかせ、牢に向かって舞い降りて来た。
「お久しぶりですわ。大魔術師シファー様」
そう言う女の姿は、金髪のストレートロングの髪をなびかせ、青色のみっちりとした服に白い腰布と手袋とブーツを履いており、ひと目でラファと同郷、ショヨクの出身だとわかった。
「……久しぶりだね、相変わらずかな? 聖魔術師、いや、元か、バッティ?」
「ふふふ。そう言う貴方様は随分、変わられましたのね? まさかそんなお姿になられているだなんて……正直、大変興味深いですわ」
ラフルはわざとらしく鉄格子に触れると、目が笑っていない笑顔でラファを見ながら更に続ける。
「まぁでも、研究材料としては一品でしてよ? 私の愛するゼレン様のための、供物となってくださいな? シファー様?」
言いたいことだけ言うと、ラフルは牢から離れていき、どこかへ行ってしまった。静まり返る部屋で、ラファ達は内側で話し始める。
【……ラファ。どういうことか、説明してもらおうか?】
語気の強いシャインに、思わず苦笑いを浮かべると、ラファは静かに語り出した。