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再調査とあの男

 前回よりも時間をかけ、クスマ遺跡に辿り着いた。幸いにも、道中で魔獣や野盗に襲われることはなかった。


「今回は順調でしたね!」


 そう言うユグルスに、内側にいるシャインが一言言う。


【経験は積めなかったがな。ユグルスの戦闘力を上げたかったんだが】


 その言葉をユグルスに伝えることはやめ、フレナは早速入口に入って行く。


 ****


「あの時の広間に出ましたね!」


 遺跡に入って数十分。像が置かれた広間までやってきた。


【気をつけろ。なにがあるかわからん】


 警戒するフレナとユグルスの前に、聞き覚えのある声が響いてきた。


「あ〜! どうなってるっぺ!?」


 像の真後ろ辺りにいるのだろう、その人物に二人はゆっくりと近づいていく。


「……あの〜?」


 ユグルスが静かに声をかけると、男は思い切り飛び上がると、


「あひゃあ! 誰がど思えば、いづぞやの坊ちゃんでねぇが! そいで、あのおっがねぇ姉ちゃんはおらんど!?」


【存外、記憶力の良い奴だな。めんどうだ】


 愚痴るシャインの声を聞きつつ、遠慮がちにフレナがエクザに声をかける。


「あの。何を、してた、の?」


 すると、エクザはオーバーな動きで目線をフレナに合わせると、


「んん? おめぇ、ぞのマナの気配……禁忌のダークエルフっぺ!? オラはじめであっだっど!?」


 オーバーに驚くと、エクザは仰け反りながら、


「あの姉ちゃんど違う意味でおっがねぇっぺ! おらの魂美味くねぇっぺ!!」


 そう叫ぶと、フレナから思い切り距離をとる。その様子を見たユグルスは、


「あ、あの! フレナさんは決して怖い方ではありませんよ? 落ち着いてください!!」


 慌ててフォローするユグルスの肩に、フレナは手を置くと、


「……ありがとう。でも、これ、が。普通の反応、だから」


 そう言うと、オーバーすぎる程にカタカタと震えるエクザを見やり、


「ボク。は、魂、とか。いらないから」


 それだけ言うと、先程までエクザのいた場所に行く。すると、そこには妙な文字が刻まれた水晶にパーツがついた謎の装置があった。


 警戒しながら、フレナとユグルスがその装置を見る。


【ふむ。マナがある程度充満? いや、充鎮されているね! これは中々に怪しいな!】

 

【そっちの方はラファが言うからにはそうなんだろう。問題は、その装置とやらがかなり厳重に取り付けられている点だな】


 二人の意見をフレナが聞いていると、ユグルスが首を傾げながら、


「『我、有りて ナンバー205』? ってなんでしょうね?」


 その言葉に、


【おやおや? 確かによく見てみると、あの謎の文字と同じだね!】


【……なんだと?】


 二人が反応する。それを受けてフレナが言う。


「……ユグルス。キミ、が、読めるこの文字、と。新生フェイラス帝国、繋がり、ありそう、だね?」

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