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もう一度クスマ遺跡へ

【しかし、魔術的見解からすると、『三対の爪』なる彼らがフルネームを隠さないのは奇妙だね!】


 フレナの治療が落ち着き、シャインとユグルスがテーブルを囲んだところでラファが切り出した。


【……自分達が。ゼレンの手先、であることも隠してなかった、しね】


「シャインさん?」


「……ああ」


 ユグルスに声をかけられ、シャインがラファとフレナの意見を伝えると、彼女もこくこくと頷きながら、


「そうですね……。魔術はわかりませんが、たしかに奇妙ですよね。自分達から正体を明かすなんて……。なにが目的なのでしょうか?」


「……わからん。だが警戒するに越したことはない。……本当にゼレンの手先かどうかも怪しいしな」


 そう言うと拳銃を取り出し、手入れをし出すシャインに、


「シャインさんは、彼らがゼレン……さん?

 と無関係だと思われているのですか?」


 そう聞くユグルスに、シャインは首を横に振ると、


「……あくまで可能性の話だ。正直な話、アタシにもわからん。あの知性を感じさせない言動といい、身体能力といい、不明点が多すぎて、絞りきれん。だから、警戒しながら、もう一度クスマ遺跡に向かう」


 シャインの言葉にユグルスが目を丸くする。


「言っただろう? アタシ達は遺跡専門だと。一度襲撃された程度で諦めたりなどせん」


 そう言うと、簡単な手入れを終えたシャインが立ち上がる。


「……行くぞ」


 ****


「それにしても、ギルドから追加依頼まで入るなんて。本当に『三対の爪』は脅威なのですね」


 ギルドで遺跡にもう一度行くと言った時のことを、ユグルスが思い出しながら言う。


 受付嬢は驚きながらも、『三対の爪』の危険性から追加として遺跡調査に加え、彼らが何をしていたのかも調べて欲しいと依頼されたのだ。


「……まぁ正しい判断だろう。ところでいつも通りだ。フレナと交代する」


 町を出たところで、フレナと交代した。いつも通りのはずの彼の装備にユグルスが驚く。


「アレ? フレナさん、大剣だけでなく弓矢も装備されているのですか!?」


 動揺する彼女に対し、


「……うん。さっき、武器屋によった、時に、シャインに頼んで弓矢も、追加したんだ。あの時は、遺跡の倉庫からだった、から。今度は、正式装備として。ね?」


 あっさり言うフレナに、ユグルスは、


「……いつの間に!?」


 そう驚く彼女に、フレナは頬をかくと、


「……装備試着の時に、ね? それより。早く行こう、か」

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