治療
部屋に入るとすぐに扉を閉め、ラファと入れ替る。
「さて! フレナのために治療薬を作ろうか!」
「あの……フレナさんは大丈夫なんですか? ずっとその……内側? にいらっしゃいますが……」
ユグルスの疑問に、ラファがこたえる。
「内側にいる間はどうやら肉体のダメージの進行が止まるようなのだよ! だから安心したまえ! それに、私が今から薬を調合するからね!」
自信満々にそう言うと、ラファは薬草などを取り出し、調合し始める。邪魔をしてはならないと、ユグルスはなるべく離れたところで見守ることにした。
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調合開始すること二時間。ようやく治療薬が完成した。
「ふぅ。上出来上出来!」
「結構時間かかりましたね……。お疲れ様です!」
ねぎらうユグルスにラファは笑顔を見せながら、
「ありがとう、ユグルス。自信作さ! と言うわけで、フレナと交代するとしよう!」
手を振りながら、フレナと入れ替る。
「フレナさん! お怪我の方は!?」
「……大丈夫、だよ。それじゃ、ありがたく。使わせてもらう、よ」
そう言うと負傷した腕を出し、ラファの治療薬を塗り込んでいく。
軟膏タイプのそれは、フレナの皮膚に浸透していき、あっという間に傷が塞がった。
「す、凄いです! あれほどの怪我を!」
感心するユグルスに、ラファが内側から、
【ふふん。そうだろうそうだろう! なんてってこの私のお手製だからね!】
いつも以上に自慢げな彼に、シャインがうんざりしたような声で言う。
【自信過剰も大概にしとけよ? 隙になる】
そんな二人を、フレナは放っておくことにし、
「……それじゃ。シャインと替わるから」
そう言って替わろうとするフレナをユグルスが引きとめる。
「せっかく外? と言いますか、なんというか……とにかく出れたのに、もう替わるのですか?」
「……うん。ボク、より。シャインの方が、都合がいいから。……それじゃ、また」
今度こそそう言うと、フレナはシャインと入れ替わった。