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クスマ遺跡

 翌早朝。日が登ると同時に起き上がると二人は簡単に朝食をとり、ラファはフレナと入れ替わった。


「……今日。で、遺跡に、着くと、思うから」


 開口一番にそう言うフレナに、ユグルスも気合いを入れ直す。


「はい! 遺跡……緊張しますが、足を引っ張らないように頑張ります!」


「……うん。わからない、ことは。聞いてね?」


「はい!」


 ****


 歩きはじめて数時間後、目的の遺跡に辿り着いた。


「ここが……遺跡! 大きいですね……」


 そこは、所々崩れてはいるものの四メートルはあろう立派な入口がある、神殿とおもしき遺跡だった。


「ここが。依頼、された、クスマ遺跡。……瓦礫、多い、みたい、だから。気をつけて」


 フレナに言われ、ユグルスも慎重に歩を進める。

 入口を抜けると、地下に向かっているであろう通路に入る。


 そこで、ユグルスがふと気づいたように言う。


「そう言えば、シャインさんと交代しないんですね」


 すると、フレナが説明をはじめる。


「今回の、依頼は。調査と、遺跡の状態、報告もあるから。シャインの拳銃、だと、遺跡に傷つけちゃう。ちなみに、ラファは、翼があるから。遺跡と相性、悪い。」


【……大剣も大概だがな】


【まぁまぁ。フレナはいざとなったら、奥の手があるしね!】


 内側で二人が会話している間に、ユグルスがフレナに向けて言う。


「な、なるほど。色々事情があるのですね」


 ユグルスにフレナは頷くと、


「……うん。じゃ、進む、よ?」


 二人は奥へと進んで行く。


 ****


 通路の途中で、武器の保管庫後のようなところをみつけた。


「フレナさん、どうしましょう?」


「……調査が、目的でも、あるから。調べて、みよう。」


 二人は慎重に入って行く。


【罠が仕掛けられている感じはしないね!】


【……だが状態が良すぎないか? フレナ、警戒を解くなよ?】


 ラファとシャインの言葉を受けて、フレナは、


「ユグルス。慎重に、行こう」


「はい!」


 そうして入って行くと、所狭しと武器が置かれていた。飾られていたり、そこら辺に放置されていたりと、様々な場所に点在している。


「……。借りる、か」


 そうフレナは呟くと、乱雑に置かれていた弓矢を手にする。


「フレナさん、弓矢なんて持ってどうするんですか?」


 疑問符を浮かべるユグルスにフレナは、


「ボクは。ダークエルフで、マナが少ないけど、一応エルフ、だから。弓矢、も扱える」


「そうなんですね! ……あれ? でも、遺跡はなるべく傷つけちゃいけないんですよね?」


 ユグルスの更なる疑問に、


「……エルフの。弓矢の技術は、変幻自在、だから。大丈夫」


 そう答え、弓矢を装備するフレナに、ユグルスは、


「剣も弓矢も扱えるなんて、フレナさんは凄いです!」


 そう言って素直な尊敬の眼差しを向ける。その視線に、フレナはくすぐったくなる心を落ち着かせて、


「……じゃあ。行こう、か?」

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