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道具屋にて

 道具屋の中に入ると、騒ぎを聞いていたのか、少しホッとしたような顔をした若い男性の店主が声をかけてきた。


「いらっしゃいませ。……ふぅ。ありがとうございます」


「礼はいい。それより、薬草がみたいんだが」


「ああ。それでしたら、こちらになります」


 控えめな店主の案内で、二人は薬草の棚に向かう。


「それでは、自分はカウンターにおりますので。ご自由にどうぞ」


 そう言い残し、店主は戻って行った。ユグルスが目を丸くしながら言う。


「薬草って、こんなに種類があるんですね! 効果とかそれぞれ違うんですか?」


「……ああ。アタシも詳しくはないがな」


 シャインの言葉にユグルスが戸惑う。


「ええ!?」


「……だから、ラファが指示したものを買う」


【こういうところは、素直で好感が持てるんだけれどね!】


 余計な一言を言うラファを殴りたい欲を抑えつつ、シャインは薬草を手際よく集めて行く。それをユグルスは興味深げに見守る。


 しばらくして、目的の薬草を一通り集めたシャインは、


「……他にも見たいものがある。待つか、付いてくるか好きにしろ」


 それだけ言うと、シャインは別の棚へ向かって行く。ユグルスは慌てて、シャインの後を追う。


 ****


「いやぁ、色々買いましたね!」


 道具屋を出て、開口一番にそう言うユグルスに、シャインは、


「……どれも遺跡に行くには必要な物だ。お前も覚えておけ」


「はい!」


 そんな二人の前に、先程ケンカしていた男の一人が現れた。

 先程は苛ついていたためよく見ていなかったが、しっかり見ると異様な格好をしていた。


 麦わら帽子にタオルをかけ、半袖短パンに腹巻に長靴と言う、まるで農夫のような格好なのに、種族はエルフだったのだ。金髪碧眼の甘いマスクに細身の身体とのギャップが激しく、思わず呆気に取られる二人に向け、男が言う。


「オラはマウンテン・エル・エクザだぁ! ざっぎは世話になっだっぺ!」

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