ミニマリスト
タイトル『ミニマリスト』
『その女性は海外旅行に行くのにカバンの中が空だったという。一体、どういうことか?』
「その女性は子供?」
「いいえ」
「一人で旅行に行った?」
「うーん……人数は問題の答えには関係ないかな」
「カバンが空だったっていうのは、旅行前日に空だったとかじゃなくて、空のカバンを持って現地まで行ったってこと?」
「はい」
「空のカバン以外に荷物を持って行かなかった?」
「いいえ」
「海外旅行に必要になりそうなものは全部持って行ってる?」
「はい」
「なるほどね……」
にやりと笑うみのり。
「空のカバンっていうのは、旅行用の大きいカバン?」
「いいえ」
「女性は空のカバンの他に、旅行用の大きいカバンも持ってた?」
「はい」
「わかった、じゃあ答えるわね」
みのりは少し間を置いて、言った。
「女性は旅行用の荷物を入れるカバンの中に、現地で普段使うためのカバンを入れて持って行った」
「正解!」
阿藤は答えの解説を読み上げる。
『女性は旅行用の大きいボストンバッグの中に、着替えなどと一緒に、街を歩く際に使うハンドバッグを空の状態で入れていた』
「この問題はそんなに難しくなかったわね」
にこにこと言うみのり。
「まあ、問題はまだまだある」
阿藤もにやりと笑い、
「次、第七問目いってみようか」
続けて問題を読み上げ始めた。