1. 俺たちの勇者様
世は勇者転生時代。
神から与えられたスキルや装備で無双するなろう勇者たちにより、魔王達は8割が壊滅状態。
惨めに生き残っている魔王たちははやむを得ないと一致団結。
罪もない配下達もなろう勇者達の美味しい経験値となり、次から次へこの世を去っていく。
魔王達は皆うつになっていた。
いつ勇者達が群をなして、我々の最後の城へ攻め込んでくるのかと怯える毎日であった。
かつての威厳はない魔王達は月に一回の魔王会議を開き、今後の方針を決めていく。
魔王会議にて、ある魔王は鼻をほじりながら画期的な発言をする。
魔王「じゃあ俺たちも勇者召喚すればいいんじゃね?」
魔王達はこの素晴らしいアイデアを実行する事で決定する。
召喚魔法を使える悪魔に勇者転生を委託する。
召喚士「いいですか。異世界転生とはスピード勝負です。神より早く有能な勇者を選び、神が転生させる前にこちらが先に転生させるのです。」
魔王達は悪魔召喚士に若くて勇者抹殺を引き受けてくれそうな人間を希望する。
召喚士「おお…!ではこの者はどうでしょう。人間世界ではニートという悲しい人生を送り、最後は誰の助けも呼ばず餓死で死亡した者です。
この者何やら悪魔や魔王に強い信仰があるようで私は彼が適任ではないかと思います。生前のこの行動を見てください!勇者よりも魔王になりたいと将来の夢に書いてあります!!」
魔王1「おおおおおおお!!素晴らしい!この人間で決定じゃ!!」
魔王2「この人間!我々を神のように信仰しておる……。わしが可愛がってやろう。」
魔王3「ずるいぞ。私がこの人間と親子の契約をすると決めたのだ!!」
魔王4「わしだ!」
魔王5「私よ!!」
大魔王「ほほほ。皆異論は無いな。この男で決定じゃ。」
こうして俺たちの勇者が決定される。
そして勇者転生の時。
勇者「なんだ・・・ここ?」
俺たちの勇者となった太郎は魔王の最後の城に転生される。
魔王達「おー!俺たちの勇者様だ!!バンザイ!バンザイ!バンザイ!バンザイ!」
魔王達は俺たちの勇者に喜び、胸を膨らませる。
こうして魔王達は俺たちの勇者をもてなす。
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